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海外競馬ニュース
2013年11月28日  - No.48 - 2

クウィリー騎手、セシル厩舎を去る(イギリス)[その他]


 トム・クウィリー(Tom Queally)騎手は、無敗のチャンピオン馬フランケル(Frankel)の栄光とともに永久に記憶に残るサー・ヘンリー・セシル厩舎と極めて良好な関係を続けてきたが、この度、同調教師が拠点としたウォレンプレイス調教場(Warren Place)の主戦騎手の地位を離れ、来年からはフリーで騎乗する。

 新しい挑戦を求めていると言うクウィリー騎手は、2009年にセシル厩舎の主戦騎手を任され、G1を21勝し、2011年にはフランケルの英2000ギニー(G1)での圧倒的勝利でクラシック初勝利を果たすなど多大な成功を収めた。

 そしてこの関係は、フランケルが世界チャンピオンとなった時頂点に達した。14戦無敗の戦績と驚くべき競走能力で、フランケルは、今年初めに発表されたワールドサラブレッドランキング(World Thoroughbred Rankings: WTR)で1977年のWTR創設以来最も高いレーティングを獲得した。

 セシル厩舎では、セシル氏が亡くなった後、マイク・マーシャル(Mike Marshall)氏がニューマーケットのセフトンロッジステーブル(Sefton Lodge stables)でマーティン・ミード(Martyn Meade)調教師の助手となるため退職することとなり、先般セシル夫人(Lady Cecil)の新しい助手としてジョージ・スコット(George Scott)氏が迎えられたところであるが、クウィリー騎手のこの決断はこの秋ウォレンプレイス調教場に起こった最も新しい変化である。

 クウィリー騎手は、セシル厩舎の主要馬主カリド・アブドゥラ殿下(Khalid Abdullah)が所有するミッデイ(Midday)、トワイスオーバー(Twice Over)およびタイムピース(Timepiece)の騎乗でも、フランケルのときと同様の最高の成功を満喫した。アブドゥラ殿下は8月に、英国での契約騎手をジェームズ・ドイル(James Doyle)とすると発表している。

 セシル調教師は6月10日にガンとの長い闘病の末他界しており、29歳のクウィリー騎手は、キャリアを変えるのは今だと感じたと昨日次のように語った。

 「フリーとなる決断はいろいろ考えた結果であり、軽々しい気持ちで決断したわけではありませんが、新たなチャレンジを開始するのに相応しいタイミングだと考えています」。

 「セシル夫人とその家族の支援に感謝し、厩舎スタッフにお礼を述べたいと思います」。

 「ウォレンプレイス調教場との関係も維持したいと思いますが、フリーになる決断は私のキャリアに他の途も開いてくれるものと考えています」。

 「セシル厩舎の主戦騎手であったことを非常に光栄に思います。私たちはトワイスオーバー、ミッデイ、タイムピースそしてもちろんフランケルなどによって素晴らしい勝利を収めました」。

 「アブドゥラ殿下の所有馬に騎乗することは私のキャリアにとって素晴らしい経験となり、フランケルに乗るチャンスを与えられたことは、騎手として夢のようなことでした。アブドゥラ殿下、ジャドモントファーム(Juddmonte Farms)のチーム、そして同じくセシル厩舎の主要顧客ニアルコスファミリー(Niarchos family)には特に感謝の意を表したいと思いますが、他のすべての馬主のサポートにも感謝したいと思います」。

 クウィリー騎手は、フランケルに騎乗してG1を10勝し(チャンピオンS、インターナショナルS、サセックスS(2勝)、クイーンアンS、ロッキンジS、クイーンエリザベス2世S、セントジェームズパレスS、2000ギニー、デューハーストS)、そのキャリア全体ではG1で通算23勝を挙げている。

 同騎手は8月にヨーク競馬場で、ヘンリー・ポンソンビー(Henry Ponsonby)氏所有のタイガークリフ(Tiger Cliff)でイボアHを優勝してセシル夫人の管理馬での最後の勝利を挙げ、また9月5日にはソールズベリー競馬場でジョワイユーズ(Joyeuse)で準重賞フィリーズSを優勝してアブドゥラ殿下の勝負服での一番最近の勝利を挙げている。

 ジョージ・マーガーソン(George Margarson)厩舎のラッキークリスタル(Lucky Kristale)は、クウィリー騎手騎乗でダッチェスオブケンブリッジS(G2)とロウザーS(G2)に優勝したため、前途有望なこの馬には2014年英1000ギニーで16-1(17倍)のオッズが付いており、クウィリー騎手は2014年もクラシック優勝の栄光を得ると見込まれる。

 クウィリー騎手はここ数ヵ月マイケル・ベル(Michael Bell)厩舎とも組み、またポール・コール(Paul Cole)調教師やチャーリー・ヒルズ(Charlie Hills)調教師とも成功を収めている。

 同騎手は、「さらに他の調教師との関係も展開しようと考えており、素晴らしい将来が待っているような気がします。2014年以降の先行きは明るいと思います」と語った。
 

セシル厩舎所属馬でのクウィリー騎手のG1勝利
馬 名 レース名
フランケル デューハーストS(2010年)、英2000ギニー(2011年)、セントジェームズパレス(2011年)、クイーンエリザベス2世S(2011年)、サセックスS(2011年、2012年)、ロッキンジS(2012年)、インターナショナルS(2012年)、チャンピオンS(2012年)
ミッデイ ナッソーS(2009年、2010年、2011年)、BCフィリーズ&メアーズターフ(2009年)、ヨークシャーオークス(2010年)、ヴェルメイユ賞(2010年)
チャチャマイディー
(Chachamaidee)
メイトロンS(2012年)
タイムピース ファルマスS(2011年)
トワイスオーバー チャンピオンS(2009年、2010年)、エクリプスS(2010年) 

  
By Peter Scargill

(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.47「故セシル調教師の厩舎の助手に25歳のスコット氏が就任(イギリス)

[Racing Post 2013年10月29日「Queally quits Cecil job to go it alone」]


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