スティーヴンス騎手、大手術を経てブリーダーズカップ開催週に復帰(アメリカ)[その他]
“伝説的ジョッキー”ゲイリー・スティーヴンス(Gary Stevens)騎手が膝全置換手術を経て、ブリーダーズカップの開催週に復帰することで、この華やかな2日間の祭典は大きな後押しを得た。
13週間前から戦線を離脱しているスティーヴンス騎手は、10月31日(金)のBCジュヴェナイルフィリーズターフ(芝G1)に出走する元フランス調教馬シヴォリエール(Sivoliere)への騎乗依頼を受け入れた。
ブリーダーズカップでこれまで10勝を挙げているスティーヴンス騎手は、「今年もブリーダーズカップに騎乗できることをずっと願っていましたが、自分が110%の状態でなければ乗らないと決めていました。私を信頼してくれる馬主と調教師がいることに本当に感謝しています」と語った。
シーザスターズ(Sea The Stars)の牝馬シヴォリエールは、ジャン-クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師の管理の下フランスで3勝し、ニューヨーク拠点のチャド・ブラウン(Chad Brown)調教師の厩舎へ転厩した。
同馬の馬主はマーティン・シュワルツ(Martin Schwartz)氏である。同氏は、欧州から米国への転厩馬を専門とし、ゴレラ(Gorella)、スタセリタ(Stacelita)、オルタライト(Alterite)、サミター(Samitar)およびBCフィリー&メアターフ(芝G1)勝馬ザゴラ(Zagora)で北米G1を制した。
スティーヴンス騎手は、シュワルツ氏所有の元フランス調教馬アンガラ(Angara)に騎乗し、2004年8月にアーリントンパーク競馬場のビヴァリーDS(芝G1)を優勝したことがある。シュワルツ氏は、「解散したバンドを再結成したような気分です。これほどワクワクするようなことはないでしょう」と語った。
51歳のスティーヴンス騎手は、その輝かしいキャリアにおいて、世界中で5,000勝以上挙げている。
同騎手は7年間の休止期間を経て、昨年華々しいカムバックを遂げていた。プリークネスS(G1)をオクスボウ(Oxbow)で優勝し、その後、ブリーダーズカップ1日目の金曜日にビーホルダーでBCディスタフ(G1)を制し、その翌日にはBCクラシック(G1)をムーチョマッチョマン(Mucho Macho Man)で劇的な優勝を果たしたのは記憶に新しい。
スティーヴンス騎手は、「昨年のブリーダーズカップでの快挙に勝るものはありませんが、新しい膝が入って僅か3ヵ月でブリーダーズカップに参加し素晴らしい人々のためにG1競走で騎乗できることは、まさにトップクラスの出来事です」と付け加えた。
今年の7月6日から騎乗していないスティーヴンス騎手は、膝の問題にずっと悩まされており、今月前半のサンタアニタ競馬場での調教騎乗再開前には、このような大手術の後で再び騎乗できるのか疑う人々もいた。
スティーヴンス騎手は、「私がいずれ馬に乗る必要があることはわかっており、術後落ち着くまで先送りしていただけです」と語った。
同騎手は、ブリーダーズカップでシヴォリエールに騎乗する前に、サンタアニタ競馬場の木曜開催と金曜日のブリーダーズカップ前座レースで、数鞍騎乗することを望んでいる。
By Nicholas Godfrey
[Racing Post 2014年10月23日「Gary Stevens ready to return at Breeders' Cup」]