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海外競馬ニュース
2015年04月09日  - No.14 - 2

オリビエ・ペリエ騎手、減量について語る(フランス)[その他]


 比較すれば笑われるかもしれないが、騎手とモデルは、長年、同様の束縛を受けてきた。それは、日々の行動に影響するほどの体重に対する強迫観念である。マリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)厚生・女性権利大臣が、「モデルたちはよく食べ、健康に留意するべきだ」として、「今後はBMI値(体格指数)が、健康基準を満たすことを証明する医師の診断書の提出を義務付ける」と述べた時は、誰もがそれに賛成した。一方、私は騎手という職業に対しても、この措置が講じられないのはなぜなのかを自問している。栄養失調の騎手、レースで騎乗できるように無理やり嘔吐する騎手は存在する。特に、体重の調整法を習得していない若い騎手は、手っとり早い方法で数百グラムを落とそうとする。誰かがまともに食事をとらず、過剰な減量の末に失神して倒れなければ、対策はとられないのだろうか?

 身長180cm以上の背が高い見習い騎手を見かけることがある。中には有能な騎手もいるが、彼らにはどのような将来が待ち受けているだろうか?BMI値を参考にした場合、身長180cmで53kgの男性は“飢餓状態”にある。“痩せすぎ”ではなく、“飢餓状態”なのである。しかし、定期的な騎乗を望むのであれば、この体重を維持しなければならない。したがって、欧州で最も軽いフランスの平地競走における負担重量を引き上げるのは、今である。もはや、この負担重量は新世代の体型と一致していないのである。なぜなら、この10年間にフランス人の平均身長は約1cm伸びているからである。背の高い人がさらに長身になっただけではなく、身長160cm以下の男性は益々少なくなっている。

 したがって、将来の騎手は限定された集団から選出され、この職業に対する適性や才能より、体型が物をいうことになるだろう。必然的に、競馬界は有能な乗り手を諦めざるを得なくなる。ハンデ戦は重量の違いを醍醐味とするため、現状維持でもよいが、すべての騎手に騎乗機会を与えるためには、条件戦における最低重量の引上げは不可欠と思われる。

 もちろん、数人の調教師が、馬の健康に関する議論を持ち出し、最低負担重量の引上げに異議を唱えるのを聞いている。馬は、背負う重量が重いほど、負荷を受ける。しかし、同じ馬の調教時の乗り手の体重は、60kgあるいは65kg以上であると思われる。レースで義務付けられていることは、朝の調教では通用していない。

 結論をいえば、騎手生活の終盤に差し掛かっている今、自分のために言うつもりはない。しかし、減量のために犠牲を払っていることを認識する一方で、年々、フランス人の体型が大きくなっていることを目の当たりにしている。騎手を志望するすべての若者に対し、中でも有能な騎手候補者には、今後の見通しを提示しなければならないと考えている。競馬界が内向的になりすぎないように、あらゆる体型の多くの人々が騎手になれるチャンスを与える必要がある。

By Olivier Peslier

[Paris Turf 2015年3月21日「Jockeys-mannequins, meme combat?」]


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