香港のスター馬ヴィヴァパタカの引退生活に深刻な懸念(香港)[その他]
香港で最も活躍した競走馬の引退生活について、深刻な懸念が持ち上がっている。ヴィヴァパタカ(Viva Pataca せん馬)がマカオの粗悪な厩舎で衰弱していることが、明らかになったのだ。
ヴィヴァパタカは英国において、サー・マーク・プレスコット(Sir Mark Prescott)調教師の管理の下、コミックストリップ(Comic Strip)という名で出走していた。その後、香港に売却され、2011年に9歳で現役を引退した。獲得賞金は、600万ポンド(約11億4,000万円)近くに上る。
サウスチャイナモーニングポスト紙(South China Morning Post 5月17日付)は、「見学した人々によれば、ヴィヴァパタカは、マカオジョッキークラブ(Macau Jockey Club)にある厩舎の地下牢のような環境で暮らしている」と報じた。
同馬を管理していたジョン・ムーア(John Moore)調教師は、「ヴィヴァパタカは、膝まで草が生えている放牧地で、余生を過ごすのがふさわしい馬です」と語った。
競馬界の消息筋は、サウスチャイナモーニングポスト紙に対し、「現在13歳のヴィヴァパタカは、テニスコートぐらいの大きさの砂馬場に週1〜2回しか出ることができず、香港の厩舎よりずっと狭い厩舎で暮らしています。恥ずべきことです。このような場所にいると、馬の精神は参ってしまうでしょう」と語った。
馬主のスタンレー・ホー(Stanley Ho)氏は、この件についてコメントしないだろう。マカオジョッキークラブのスポークスマンは、「ヴィヴァパタカは毎日放牧地を歩き、曳き運動もしています」と述べ、より詳細については語らなかった。
香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club)の競走担当理事であるビル・ネーダー(Bill Nadar)氏は、「ヴィヴァパタカがマカオにいることは最近知りましたが、引退直後に送られたニュージーランドからどうして戻ってきたのかは不明です」と語った。
そして、「ヴィヴァパタカのような優良馬が、過ごすべき引退生活ではありません」と付言した。
By Graham Green
(1ポンド=約190円)
[Racing Post 2015年5月18日「Concerns raised over welfare of Hong Kong star Viva Pataca」]