伝説のスプリンター、テイクオーバーターゲットが死亡(オーストラリア)[その他]
世界中のスプリント競走でセンセーショナルなパフォーマンスを見せてきた豪州のテイクオーバーターゲット(Takeover Target 15歳せん馬)は、放牧地での事故によって負傷し、安楽死処置となった。
テイクオーバーターゲットの競走成績は、41戦21勝(G1・8勝)、2着6回、3着4回であった。豪州、英国、日本、シンガポールで出走し、600万豪ドル(約5億7,000万円)以上の賞金を獲得して2009年に引退した。その後は、ニューサウスウェールズ州コフスハーバーにある馬主のジョー・ジャニアック(Joe Janiak)調教師の所有地で繋養されていた。
ジャニアック調教師は、テイクオーバーターゲット(父セルティックスウィング、母シェイディストリーム、母父アーチリージェント)を僅か1,250豪ドル(約11万円)で購買した際、パートタイムのタクシー運転手でもあった。当時、テイクオーバーターゲットは、肢と関節の故障のために3歳シーズンを棒に振り、4歳未出走馬であった。同馬の立身出世物語は、世界中の競馬ファンを魅了し、“庶民のチャンピオン”と呼ばれた。
テイクオーバーターゲットのキャリアは2006年に頂点に達し、その年は豪州でライトニングS(G1)とニューマーケットH(G1)を制し、ロイヤルアスコット開催に招待された。ロイヤルアスコット開催において、同馬はキングズスタンドS(当時G2)を制し、その僅か4日後のゴールデンジュビリーS(G1)では称賛に値する3着となった。その年は、日本にも遠征し、スプリンターズS(G1)で日本馬および世界中から参戦した馬を負かした。同馬は、2006年の豪州最優秀スプリンターに選出された。
その他、テイクオーバーターゲットは、シンガポールで2008年クリスフライヤー国際スプリント(G1)、豪州で2004年サリンジャーS(G1)、2007年ドゥームベン(G1)、2009年グッドウッドH(G1)、T・J・スミスS(G1)を制している。
メリンゴスタッドファーム(Meringo Stud Farm)生産のテイクオーバーターゲットは、2012年に豪州の競馬殿堂入りを果たした。
By Blood-Horse Staff
(1豪ドル=約95円)
[bloodhorse.com 2015年6月20日「Australian Sprint Star Takeover Target Dies」]