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海外競馬ニュース
2015年08月06日  - No.31 - 3

新予算案で賭事税に変更なく、賭事産業と競馬界が安堵(イギリス) [開催・運営]


 英国政府は、7月8日発表の新予算案において、賭事税には手を付けなかった。これは、賭事産業にとって “期待できる最高の結果”と受けとめられている。

 一方、オズボーン財務大臣は、下院での演説において、現行の賦課金制度に替わる競馬賭事権(horse betting right)について言及しなかった。しかし、予算文書には、競馬賭事権に関する政府の公約が再度記された。

 政府は、所得税率、付加価値税率および国民保険料を引上げないことを公約としていたので、財政赤字削減に役立てるため、賭事税率の引上げを検討するのではないかと懸念されていた。

 ニューミス・セキュリティーズ(Numis Securities)のアナリストであるアイヴァー・ジョーンズ(Ivor Jones)氏は、7月8日付のメモに、次のように記した。

 「ブックメーカーは、とりわけ賭事税率引上げの影響を受けやすいと思われる。ブックメーカーが新予算案に期待できる最高の結果は、無視されることだと言えよう。もしかすると、政府は、賭事業界から差し当たり十分むしり取ったと判断したのかもしれない。本日、これ以上の朗報はないだろう」。

 幸いにも、今回、賭事産業には全くニュースがなく、これは英国ブックメーカー協会(Association of British Bookmakers: ABB)が期待した結果である。

 ABBの広報担当マネージャーであるピーター・クラスク(Peter Craske)氏は、「政府が、安定期間を求める賭事産業の声に耳を傾けてくれたことに満足しています。この数年、賭事税率の引上げや規制の変更がありましたが、この先はある程度の確実性をもって、計画を立てられることを嬉しく思います」と語った。

 BHA(英国競馬統轄機構)も、賭事税率が変更されず、競馬賭事権が予算文書に記されたことを歓迎した。

 オズボーン大臣は、3月の予算案において、政府が競馬賭事権を推進することを表明していたが、7月8日付の予算文書に再度このことが記された。

 予算文書には、次のように記されている。「政府は、英国拠点の賭事業者と海外拠点の賭事業者の間で公平な競争環境を整えるため、現行の賦課金制度に替わる制度の構築に引き続き最大限努力する。競馬賭事権の詳細は、現在検討中であり、年内に成案を得る予定である」。

 BHAのCEOであるニック・ラスト(Nick Rust)氏は、英国競馬界を代表して次のように語った。「まだ、取り組むべき課題はあります。しかし、英国競馬界は競馬賭事権を通じ、公平かつ法的強制力をもつ安定した資金調達制度の構築という公約を、財務大臣が予算文書に、再度記載したことを高く評価しています」。

 「英国競馬界は、競馬賭事権が適切な手段であるという共通見解をもっています。今後、できる限り早く実行に移すことを視野に入れ、競馬賭事権の実施方法をさらに詰めるために、政府および賭事産業と密接に連携していく予定です」。

 「このことにより、競馬界と賭事産業のいずれもが繁栄して成長する土台ができることを確信しています」。

By Bill Barber

[Racing Post 2015年7月9日「Chancellor leaves gambling duties untouched in his summer Budget」]


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