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海外競馬ニュース
2015年09月03日  - No.35 - 2

欧州一流マイラーのジルザル、29歳で死亡(イギリス)[その他]


 欧州の一流マイラーであったジルザル(Zilzal 29歳)は、老衰のため、安楽死措置がとられた。

 サー・マイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)調教師が管理し、マナ殿下(Sheikh Mana Al Maktoum)が馬主であったジルザル(父ヌレイエフ)は、1989年に、クラシック二冠馬ナシュワン(Nashwan)を抑えて最優秀3歳馬に選出された。3歳シーズンにおいて、ジルザルは、サセックスS(G1)やクイーンエリザベス2世S(G1)での勝利を含む5連勝を果たした。これらの勝利はすべて、ウォルター・スウィンバーン(Walter Swinburn)騎手とのコンビで達成された。

 渡米してBCマイル(G1)に出走したジルザルは、6着に敗れて引退し、米国のゲインズボロー牧場(Gainsborough Stud)で供用された。最も有名なジルザル産駒は、サセックスS勝馬アマングメン(Among Men)、仏1000ギニー(G1)勝馬オールウェイズロイヤル(Always Loyal)、プリンスオブウェールズS(G1)勝馬フェイスフルサン(Faithful Son)である。

 生殖能力の問題のため、ジルザルはニューマーケットにあるカースティン・ロージング(Kirsten Rausing)氏のランウェイズ牧場(Lanwades Stud)に移された。そして、そこで10シーズン(1996年〜2005年)を過ごし、19歳で種牡馬を引退した。その後、ジルザルは2006年からディドコット近郊のアストンアップソープ牧場(Aston Upthorpe Stud)で引退生活を過ごしていた。

 ロージング氏は次のように語った。「ここで10年間、ジルザルを供用していました。それ以前に供用されていた米国のゲインズボロー牧場では、深刻な生殖能力の問題があったようです。ランウェイズ牧場で引き取るよう依頼され、ジルザルはここに来ました。米国では少頭数にしか種付けせず、受胎率は50%に届かなかったようです」。

 「ここでの供用1年目には、60頭の繁殖牝馬に種付けし、ほとんどが受胎したようです。ジルザルはとても供用しやすく、深刻な生殖能力の問題など感じられませんでした。精子の寿命の短さが問題だったのではないかと考えました。それは、繁殖牝馬を注意深く管理すれば、克服できる問題です」。

 「ジルザルは、すべての面で素晴らしい馬で、まったく欠点がありませんでした。一見しただけで、どれだけ愛らしい馬か分かります。それに扱いやすい馬でした」。

 「私たちはジルザルに愛着を抱いていました。オウエン・オマホニー(Eoin O’Mahony)氏が、10年間ずっとジルザルを世話しました」。

 ジルザルは、米国のケンタッキーセレクトブラッドストック社(Kentucky Select Bloodstock)において生産された。母は、デルマーオークス(G2)勝馬フレンチチャーマー(French Charmer)であり、リステッド勝馬チャーマント(Charmante)など4頭の勝馬を出した。さらに遡れば、このファミリー(牝系)はG1馬ネグリジェ(Negligee)、一流マイラーで一流種牡馬でもあったポリッシュプレセデント(Polish Precedent)、パークS(G2)勝馬ヴィズトリア(Viztoria)を送り出している。

By Zoe Vicarage

[Racing Post 2015年8月14日「Queen Elizabeth II and Sussex Stakes hero Zilzal dies aged 29」]


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