馬産地ハンターバレーの鉱区拡大計画の予備承認に生産者が愕然(オーストラリア)[その他]
ニューサウスウェールズ(NSW)州政府の計画局は、ハンターバレー・ドレイトンサウス鉱における英資源大手アングロアメリカン(Anglo American)の石炭鉱区拡大計画に、予備承認を与えた。この計画は以前から物議を醸していた。
昨年、計画評価委員会(Planning Assessment Commission:PAC)は、この石炭鉱区拡大計画を進めないよう勧告していた。
NSW州政府の計画局は、この鉱区拡大計画が、近くのダーレー牧場やクールモア牧場に及ぼす影響についての懸念を否定している。そして、この2つの世界最大級のサラブレッド生産事業体は採掘予定地から900mの場所にあるが、移転を強いることはないと語った。
鉱区拡大反対派は、「ドレイトンサウス鉱は、ハンターバレーの世界的に有名なサラブレッド生産業と数千人もの従事者の将来を脅かす」と述べている。
ハンターサラブレッド生産者協会(Hunter Thoroughbred Breeders Association)のヘンリー・プランプター(Henry Plumptre)副理事長は、NSW政府の予備承認はサラブレッド生産業にとって大きな打撃であると語った。
そして次のように続けた。「NSW政府が鉱区拡大計画に予備承認を与えたことを新聞で読んだとき、私たちはサラブレッド生産業に関わる者として深く失望しました。過去2回のPACでは、鉱区拡大計画に反対する理由を提示してきました」。
「2013年と昨年のPACでは、この計画を承認すべきではないという結論に達しました」。
ダーレー・オーストラリア社の社長も務めるプランター副理事長は、NSW政府の計画局がPACの公聴会(9月にデンマンで開催)を前に態度を明確にしたことに、愕然としていると述べた。
そして、「PACがこの計画案について検討する前に、NSW政府の計画局が予備承認を与えたことが問題です。計画局はそのようなことをする立場になく、全く不適切だと考えます」と付言した。
By Racing and Sports
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[Racing Post 2015年8月27日「Studs appalled by mine expansion go-ahead」]