マイケル・オーウェン氏所有のブラウンパンサーが死亡(イギリス)[その他]
マイケル・オーウェン(Michael Owen)氏にとって、9月13日は人生で最も悲しい日となった。その日、同氏が生産し共同馬主となっているブラウンパンサー(Brown Panther)が、連覇を目指して挑んだ愛セントレジャー(G1)において後肢を故障し、安楽死措置が採られたのだ。
ブラウンパンサーは中間地点で2番手を走っているときに、急に後退し、リチャード・キングスコート(Richard Kingscote)騎手は手綱を引いた。この故障で、同馬の命は助からなかった。
元イングランド代表のサッカー選手で国際的に活躍したオーウェン氏は、ブラウンパンサーと親密な繋がりがあった。ブラウンパンサーは同氏が初めて所有したトレブルハイツ(Treble Heights)の仔であり、同氏自身が生産者となった。今年6月に、同氏は本紙のインタビューで次のように語った。「彼なしの人生は耐えられません。それほど彼を失うことは怖いことです」。
オーウェン氏は9月13日、ソーシャルメディアサイト“スポートロブスター(Sportlobster)”において、悲しみに暮れて次のような文章を投稿した。「人生において最も悲しい日です。これまで出逢った中で、最も強く素直で優れた競走馬が、本日レース中にこの世を去りました。最高の医療チームの助言によれば、故障した後肢は治療の余地がなく、安楽死措置が採られることになりました」。
「誕生に立ち会ってから7年間、二度と味わえない経験をともにしました。最後にお別れのキスをしました。彼を生産し所有したことを誇りに思います。パンサー、君のことを愛していたよ。君がいないと人生が変わってしまうだろうね」。
オーウェン氏は、ベットフェア社創始者のアンドリュー・ブラック(Andrew Black)氏と共同でブラウンパンサーを所有していた。ブラウンパンサーのおかげでオーウェン氏は世界中を飛び回ることができ、110万ポンド(約1億9,800万円)以上の賞金を獲得した。
同馬は、トム・ダスコム(Tom Dascombe)調教師に管理され、6馬身1/2で制した2014年愛セントレジャーに加え、2011年キングジョージ5世H(ロイヤルアスコット開催)、1着賞金が38万ポンド(約6,840万円)を超える2015年ドバイゴールドカップ(G2)を制した。
2013年メルボルンカップ(G1)で8着となり、2014年BCターフ(G1・サンタアニタ競馬場)にも挑戦した。
カラ競馬場のポール・ヘンシー(Paul Hensey)場長は、「ブラウンパンサーは後肢に複雑骨折を発症しました。3人の獣医師が即座に治療に当たりましたが、手の施しようがなく、残念ながら、安楽死措置を採らざるを得ませんでした」と語った。
ブラウンパンサーの主な勝利
開催日 | 競馬場 | レース名 | 獲得賞金 | 最終オッズ |
2011年6月16日 | アスコット | キングジョージ5世H |
£31,155 (約561万円) |
4-1 (5倍) |
2012年6月24日 | ポンテフラクト | ポンテフラクトキャッスルS(L) |
£18,714 (約337万円) |
85-40 (3.5倍) |
2013年6月23日 | ポンテフラクト | ポンテフラクトキャッスルS(L) |
£18,714 (約337万円) |
11-8 (2.4倍) |
2013年8月1日 | グッドウッド | グッドウッドカップ(G2) |
£56,710 (約1,021万円) |
13-2 (7.5倍) |
2014年5月9日 | チェスター | ダイヤモンドオーモンドS(G3) |
£42,532 (約766万円) |
6-4 (2.5倍) |
2014年5月29日 | サンダウン | ヘンリー2世S(G3) |
£35,443 (約638万円) |
2-1 (3倍) |
2014年9月14日 | カラ | 愛セントレジャー(G1) |
£145,000 (約2,610万円) |
14-1 (15倍) |
2015年3月28日 | メイダン | ドバイゴールドカップ(G2) |
£384,615 (約6,923万円) |
4-1 (5倍) |
通算成績:28戦11勝 獲得賞金:£1,114,425(約2億60万円)
(1ポンド=約180円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.29「元サッカー選手オーウェン氏、チャリティーレースでの騎乗を熱望(イギリス)」
[Racing Post 2015年9月14日「Death of hugely popular stayer Brown Panther」]