ムーディー調教師、統轄機関のスパイ派遣計画を批判(オーストラリア)[その他]
レーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Ltd.: RVL)のテリー・ベイリー(Terry Bailey)上席裁決委員は9月16日、RVLが情報収集のために、豪州リーディングトレーナーのピーター・ムーディー(Peter Moody)調教師の厩舎にスパイを送る検討をしていたことを明らかにした。
伝説の牝馬ブラックキャビア(Black Caviar)を管理したムーディー調教師は、騙された気分であり、豪州競馬界のルールや統轄機関にウンザリしたと語り、“競馬をやめても良い”と脅かした。
ムーディー調教師は、RVLが彼に関する情報を取るために、厩舎にスパイを送り込もうとしたと主張した。
ベイリー上席裁決委員は、ムーディー調教師とその他の人々について、その手段は選択肢として検討されたが、実際に行動に移すことはなかったと認めた。
そして、「数年前に裁決委員がその手段を検討したことは認めます。しかし、実行しないことに決定しました」と述べた。
ムーディー調教師は9月16日、裁決委員に薬用湿布使用を指摘され、管理馬レディタティア(Lady Tatia)が出走取消となった際、この主張を行った。豪州では競走当日の薬物使用が禁止されており、違反した場合3ヵ月間の調教停止処分が科される可能性がある。
ムーディー調教師はすでに、管理馬への競走能力向上薬のコバルト投与で嫌疑を受けており、調査終了まで重賞と準重賞での獲得賞金の支払いが凍結されている。
同調教師は次のように語った。「競走当日の薬物投与禁止はルールに定められているで、我々は違反したことになります。しかし、スパイ禁止のルールは定められていません。おかしなことです」。
競馬界を離れる意思があるかを尋ねられ、ムーディー調教師は「そうならないことを望みますが、そうしても良い状況にあります」と語った。
By Peter Scargill
(関連記事)海外競馬ニュース2015年No.5「ブラックキャビアの調教師の管理馬から禁止薬物コバルト検出(オーストラリア)」
[Racing Post 2015年9月17日「Moody in quit threat after spy row」]