アメリカンファラオの初年度種付料はゴーストザッパー以来の高額(アメリカ)[生産]
アメリカンファラオ(American Pharoah 父パイオニアオブザナイル)は、2016年にケンタッキー州のアシュフォードスタッド(Ashford Stud クールモア牧場所有)で供用される。初年度種付料は20万ドル(約2,400万円)である。
これは、実績があり注目の的であるウォーフロント(War Front)の種付料と同額である。しかし、北米リーディングサイアーであるタピット(Tapit)の来年の種付料3万ドル(約3,600万円)を下回る。
37年ぶりの三冠馬アメリカンファラオは、BCクラシック(G1)で余裕の勝利を収めた。これにより、2006年に初年度種付料20万ドル(約2,400万円)でアデナスプリングス社(Adena Springs)で種牡馬生活を開始したゴーストザッパー(Ghostzapper)以来、最高額で供用される新種牡馬となる。
欧州の怪物馬フランケル(Frankel)は2013年2月、初年度種付料12万5,000ポンド(約2,313万円)で種牡馬入りした。これは約19万5,000ドルに相当した。
アメリカンファラオはクールモア牧場の多数の繁殖牝馬とそのオーナーブリーダーであるアフメド・ザヤット(Ahmed Zayat)氏が所有する繁殖牝馬に種付けを行うだろう。しかし、初年度に外部の繁殖牝馬150頭に種付けすれば、来シーズンだけで3,000万ドル(約36億円)を稼ぐことになる。
アメリカンファラオと交配予定の繁殖牝馬には、2014年BCフィリー&メアターフスプリント勝馬ジュディザビューティー(Judy The Beauty)、BCジュヴェナイルフィリーズ勝馬ソングバード(Songbird)の母イヴァナヴィナロット(Ivanavinalot)、G1馬のテイクチャージインディ(Take Charge Indy)とウィルテイクチャージ(Will Take Charge)の母で自らG1を数回制したテイクチャージレディ(Take Charge Lady)などがいる。なお、テイクチャージレディが生んだ当歳のウォーフロント牝駒は、今週キーンランドのセリにおいて320万ドル(約3億8,400万円)で購買された。
2016年にアシュフォードスタッドで高額収入をもたらしそうなもう1頭の種牡馬は、1年間で種付料が3万5,000ドル(約420万円)から10万ドル(約1,200万円)に急騰したスキャットダディ(Scat Daddy 父ヨハネスブルグ)である。
スキャットダディは今年、クイーンメアリーS(G2)で優勝しナンソープS(G1)で2着となったアカプルコ(Acapulco)、フリゼットS(G1)優勝馬ニックネーム(Nickname)を送り出した。
スキャットダディは、チリにおいても、最も影響力のある種牡馬である。
北米リーディングファーストクロップサイアーであるアンクルモー(Uncle Mo)は、その初年度産駒からG1・3勝馬のナイキスト(Nyquist)とG1馬ゴモ(Gomo)を送り出し、種付料は今年の3倍の7万5,000ドル(約900万円)となる。
元北米リーディングサイアーであるジャイアンツコーズウェイ(Giant’s Causeway)は今年、G1馬であるブロディーズコーズ(Brody’s Cause)とカルペディエム(Carpe Diem)を送り出した。来年は、今年と同じ種付料8万5,000ドル(約1,020万円)でアシュフォードスタッドにおいて供用される。
By Martin Stevens
(1ドル=約120円、1ポンド=約185円)
[Racing Post 2015年11月7日「American Pharoah given biggest first-year fee since Ghostzapper」]