TOPページ > 海外競馬ニュース > カリフォルニアクローム、ドバイワールドカップで優勝(ドバイ)[その他]
海外競馬ニュース
2016年03月31日  - No.13 - 2

カリフォルニアクローム、ドバイワールドカップで優勝(ドバイ)[その他]


 カリフォルニアクローム(California Chrome 父ラッキーパルピット)は、世界最高の総賞金1,000万ドル(約11億5,000万円)のドバイワールドカップ(G1・メイダン競馬場)で、昨年の雪辱を果たした。

 昨年同レースで2着となった2014年の米国年度代表馬カリフォルニアクロームは、今年は道中ずっと外を回ることになったが、勝利を取りこぼすことはなかった。

 12頭立てのドバイワールドカップ(ダート2000m)の11番ゲートから、ビクター・エスピノーザ(Victor Espinoza)騎手はカリフォルニアクロームを順調に発走させた。第1コーナーで3~4頭の外、第2コーナーで3頭の外を回り、その後先頭を走っていたムシャウィッシュ(Mshawish)の3番手につけていた。2番手はスペシャルファイター(Special Fighter)であった。

 カリフォルニアクロームの鞍が後ろに大きくずれ、エスピノーザ騎手の運動神経が試されたが、同騎手はバランスを維持し続けた。最終コーナーで栗毛のカリフォルニアクロームとエスピノーザ騎手は突進し、ライバルたちを砂ぼこりの中に置き去りにした。

 エスピノーザ騎手はこう語った。「バランスを保ち続けて体を動かさないようにするだけで精いっぱいでした。ただ前方を見て、"ゴールは何処だ?"と考えていました。あまり速く進むことができませんでした」。

 「第4コーナーも3~4頭の外を回ることができれば、全てがうまく行くと考えていました。今日は彼が100%の力を出せばどれだけ走れるかを証明しました。ステップレースでは、カリフォルニアクロームは強気で、容易に勝ちました。本番はタフなレースになることが分かっていたので、ステップレースで疲れさせたくありませんでした」。

 勝ち時計は2分1秒83で、2015年ドバイワールドカップデー前に敷設されたダート馬場のレコードタイムとなった。ムブタヒージ(Mubtaahij)は内埒沿いを走って2着を確保したが、優勝馬には完敗だった。3着はホッパーチュニティ(Hoppertunity)だった。それに続き、スペシャルファイター、フロステッド(Frosted)、ムシャウィッシュ、キャンディボーイ(Candy Boy)、キーンアイス(Keen Ice)、ホッコータルマエ、テレテキスト(Teletext)、ヴァダモス(Vadamos)、そしてガンピット(Gun Pit)がゴールした。

 クリストフ・スミヨン(Christophe Soumilion)騎手は2015年にUAEダービー(G2)を制したムブタヒージについてこう語った。「彼は最高の状態で戻ってきました。素晴らしい走りでした。好位を確保しましたが、カリフォルニアクロームにはかないませんでした」。

 この優勝で、カリフォルニアクロームは北米史上で最高額の賞金獲得馬となった。ドバイワールドカップの優勝賞金600万ドル(約6億9,000万円)は、同馬の生涯獲得賞金額を1,253万2,650ドル(約14億4,125万円)にまで引上げ、これまでこの記録を保持してきた2008年ドバイワールドカップ勝馬カーリン(Curlin)の生涯獲得賞金額1,050万1,800ドル(約12億771万円)を上回った。

 アート・シャーマン(Art Sherman)調教師はこう語った。「カリフォルニアクロームは一生に一度会えるかどうか分からないほどの馬です。ただ興奮しています。馬にとってはベストの年齢である5歳まで、彼を走らせたいと思っていました」。

 カリフォルニアクロームが目標とするのは、11月のブリーダーズカップである。そして、来年1月に賞金総額1,200万ドル(約13億8,000万円)のペガサスワールドチャンピオンシップ(Pegasus World Championship 競馬場運営会社ストロナックグループの創設者フランク・ストロナック氏の構想)の開催が実現するのであれば、出走するかもしれない。

 共同馬主のペリー・マーティン(Perry Martin)氏は、「ブリーダーズカップは最大の目標ですが、来年1月のペガサスワールドチャンピオンシップについても検討しています。馬主の意見を総合して考えれば、その開催に挑戦することになるでしょう」と語った。

 シャーマン調教師は、次走として可能性が高いレースとしてパシフィッククラシック(G1)を挙げた。

 カリフォルニアクロームは引退後、テイラーメイドファーム(Taylor Made Farm ケンタッキー州)で種牡馬になる予定である。同牧場はカリフォルニアクロームの所有権の30%を有している。同馬は3月31日にドバイを出発し、シカゴで検疫を受け、テイラーメイドファームで約30日を過ごした後、シャーマン厩舎に戻る予定である。

By Claire Novak

(1ドル=約115円)

[bloodhorse.com 2016年3月26日「California Chrome Brilliant in World Cup Win」]


上に戻る