年齢を理由に"不合格"とされるも見事にデビューした女性騎手(イギリス)[その他]
24歳のシャーロット・クレイトン(Charlotte Clayton)騎手は当初、"年を取り過ぎている"として騎手免許を与えられなかった。しかし本日(5月17日)、リングフィールド競馬場において、不可能と思われた騎手デビューを果たすこととなった。
今年始め、クレイトン騎手の夢の実現はBHA(英国競馬統轄機構)により阻まれた。BHAは、減量が適用されなくなる26歳までに、同騎手がキャリアを歩むのに十分な騎乗数と経験を積むことができないだろうという理由から難色を示した。
しかし、クレイトン騎手の師匠であるレイ・ゲスト(Rae Guest)調教師が熱心に働きかけ、BHAの免許課に詳細情報を提出したおかげで、同騎手は北部競馬学校(Northern Racing College)の見習騎手課程の修了を認められた。そして、騎手免許が交付されて数週間が経った今、騎手デビューを果たそうとしている。
クレイトン騎手はこう語った。「最初は騎手免許を手にできるとは思っていませんでしたが、懸命に働きました。見習騎手課程の修了証を受け取った時、厩舎の誰もが何が起こったのかすぐに気付くぐらい大きな声をあげて喜びました」。
昨年、ゴドルフィン厩舎スタッフ賞(Godolphin Stud and Stable Staff Awards)の最終選考に残ったクレイトン騎手は、1マイル4ハロン(約2400m)の見習騎手ハンデキャップ戦でオペラバフ(Opera Buff ゲスト厩舎)に騎乗する。
同騎手はこう語った。「BHAに一度"不合格"を言い渡されたので、全力で取り組み、彼らが間違っていたことを証明するよう努めなければならないと感じています」。
「真面目に取り組み、良い騎乗ができれば満足です。ワクワクしています。騎乗機会を与え、手厚いサポートをしてくれた師匠のために、良いパフォーマンスができることを望んでいます」。
ゲスト調教師がオペラバフ(7歳)を管理し始めてから1ヵ月しか経っていない。同調教師は、通算成績42戦1勝のこの馬をアスコットのセリで購買した。
ゲスト調教師はこう語った。「そもそも、ニューマーケットタウンプレートでの妻の騎乗馬としてオペラバフを購買しました。シャーロットに良いスタートを切らせることができる賢くて経験豊かな馬です」。[訳注:ゲスト調教師の妻は元アマチュア騎手のレイチェル・フリン(Rachel Flynn)氏である]。
そしてこう続けた。「彼女は調教で頻繁に騎乗し、騎手となるための指導を受けました。また、週に2~3回ジムに通い、家でも練習を重ねました」。
「最初のうちは彼女に何頭かの管理馬に乗ってもらおうと思っています。オペラバフにはまず1回乗ってもらいますが、ニューマーケットタウンプレートの前に同馬はもう1回出走するでしょう。ニューマーケットタウンプレートが済めば、シャーロットが完全にオペラバフの主戦騎手を務めることになります」。
ショージャンピング界出身のクレイトン騎手は、見習騎手になるまでの苦難の道のりをこう振り返った。「年齢のせいで不合格とされたのは不当だと感じています。最近では多くの人々がもっと遅くに学校を卒業しています。競馬に関係のある家庭に生まれていない場合、学ぶべきことが沢山あります。一夜にして身に付くものではありません」。
「しかし、周りの人々のサポートのおかげで、BHAが考え直してくれたことに満足しています」。
「多くの人々からお祝いのメールやカードを頂きました。そして多くの馬主が、私が騎手免許を獲得したことを喜んでくれました」。
By Andrew Dietz
[Racing Post 2016年5月17日「Rejected apprentice has point to prove to BHA on debut」]