リオ五輪に出場する元競走馬(ブラジル)[その他]
競馬がオリンピック競技となることはないかもしれないが、今回のリオ五輪には元競走馬が出場する。
2008年にミック・シャノン(Mick Channon)厩舎に所属し3勝したサモンアップザブラッド(Summon Up Theblood)は、リオ五輪の総合馬術(8月6日~8日)で地元ブラジルチームの一員として出場する。11歳の同馬は、ハンガーフォードの慈善団体"競走馬の再調教(Retraining of Racehorse: RoR)"で再調教され、英国を拠点とするブラジル人総合馬術選手カルロス・パロ(Carlos Parro)氏とコンビを組む。
レッドランサム産駒のサモンアップザブラッドは競走馬時代、マイラーであり、ウィンザー競馬場、サースク競馬場、エア競馬場で優勝した。
現在ルイザ・ベンジャー(Louisa Benger)氏が所有する同馬は、RoRの元競走馬向けのクラスにおいて、総合馬術のキャリアを開始した。そしてRoRを卒業後、2011年からパロ氏とコンビを組み、正式な競技会に出場するようになった。
このコンビは今年前半、リオ五輪への出場資格を得て、五輪前のウォーミングアップとして、7月のバーバリー総合馬術ホーストライアルに出場した。それにより、ブラジルチームの一員となることが決定した。バドミントンやバーリーで行われたホーストライアルへの出場経験もあるパロ氏は、「サモンアップザブラッドはバーバリーでとても良いパフォーマンスを見せたので、リオの出場権を手にしました」と語った。
37歳のパロ氏は、2000年シドニー五輪にも出場し、2012年ロンドン五輪では補欠だった。同氏はこう付言した。「リオ五輪で地元ブラジルチームの一員として出場することにワクワクしています。元競走馬がこのような高いレベルの競技に出場できることも、素晴らしい偉業です。元競走馬が万能で他分野でも才能に溢れていることを見せられました。出場が待ち遠しいです。一生に一度のチャンスです」。
RoRのCEOであるダイ・アーバスノット(Di Arbuthnot)氏はこう語った。「カルロスとサモンアップザブラッドがリオ五輪に出場権を得たことは大変喜ばしいニュースです。彼らの幸運を祈っております。また、彼らに出場権が与えられたことが競走馬の適応性の証明となり、引退した競走馬が第2のキャリアでの成功を見せられることを望んでいます」。
現役を引退してリオ五輪に出場するもう1頭の元競走馬は、米国のブラックフットミステリー(Blackfoot Mystery)である。現役時代にハリウッドパーク競馬場(2013年に閉場)で3戦した同馬は現在、ケンタッキー州を拠点とする総合馬術選手のボイド・マーティン(Boyd Martin)氏とコンビを組んでいる(訳注:総合馬術の団体成績は、ブラジルチームは7位、米国チームが12位となった。個人成績では、パロ選手&サモンアップザブラッドは18位、マーティン選手&ブラックフットミステリーは16位だった)。
By Nicholas Godfrey
[Racing Post 2016年8月6日「Former Channon miler makes Brazilian Olympic team」]