影響力ある種牡馬リナミックスが29歳で死亡(フランス)[生産]
影響力ある種牡馬リナミックス(Linamix)は、29歳でフランス・ノルマンディーのアガカーンスタッド(Aga Khan Studs)で死亡した。
リナミックス(父メンデス)は、ジャン-リュック・ラガルデール(Jean-Luc Lagardere)氏に生産・所有され、フランソワ・ブータン(Francois Boutin)調教師に管理された。
2歳時にラロシェット賞(G3)、3歳時にフォンテーヌブロー賞(G3)と仏2000ギニー(G1)を制し、ジャックルマロワ賞(G1)、ムーランドロンシャン賞(G1)、英チャンピオンS(G1)で2着となった。
1991年に現役を引退し、ラガルデール氏がノルマンディーに所有していたヴァルアンリ牧場(Haras du Val Henry)で種牡馬入りし、優良種牡馬としてすぐに頭角を現した。初年度産駒からジャックルマロワ賞優勝牝馬ミスサタミクサ(Miss Satamixa)など8頭のステークス勝馬を出した。
リナミックスは合計14頭のG1馬を出した。その中には凱旋門賞優勝馬のサガミックス(Sagamix)、仏2000ギニー優勝馬のスリックリー(Slickly)とヴァオリミックス(Vahorimix)、ガネー賞優勝馬のフェアミックス(Fair Mix)、サンクルー大賞優勝馬のフレグラントミックス(Fragrant Mix)がいる。
また、マニハー(Manighar)は豪州で、ザBMW(G1)、オーストラリアンC(G1)、ランヴェットS(G1)を制した。
リナミックス産駒の中で、アルナミックス(Al Namix)、カルロタミックス(Carlotamix)、フェアミックス、マルタリーヌ(Martaline)は、障害の優良種牡馬となった。
種牡馬となったリナミックス産駒の中で、平地競走で大きな影響をもたらしたのはスリックリーで、G1馬のメアンドル(Meandre)、G2馬のグリドグリ(Gris De Gris)とランナウェイ(Runaway)を出している。一方、ラジサマン(Rajsaman)は初年度産駒が今年2歳となり出走し始めている。
リナミックスはとりわけブルードメアサイアーとして傑出しており、同馬の牝馬はトップクラスの優良馬を多く出している。その中にはG1馬のブルーバンティング(Blue Bunting)、クロドヴィル(Clodovil)、エクト(Ectot)、モンマルトル(Montmartre)、モストインプルーヴド(Most Improved)、ムハラー(Muhaarar)、ナタゴラ(Natagora)、ロザナラ(Rosanara)、サガワラ(Sagawara)、セージバーグ(Sageburg)、ヴァリクシール(Valixir)、ヴァリラ(Valyra)、ヴァジラバド(Vazirabad)がいる。
リナミックスはラガルデール氏の死後、アガカーンスタッドにより購買され、2007年に種牡馬を引退した。
By Martin Stevens
(関連記事)海外競馬情報 2011年No.6「伝統ある牧場を買収して進めてきたアガ・カーン殿下の生産事業(フランス)」
[Racing Post 2016年9月9日「Influential French sire Linamix dies at 29」]