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2016年01月28日  - No.4 - 3

優秀なスプリンターで種牡馬のガルチが32歳で死亡(アメリカ)[生産]


 1988年の最優秀短距離馬のガルチ(Gulch)は癌との闘いの末、1月17日午前、引退馬施設オールドフレンズ(Old Friends ケンタッキー州ジョージタウン)で安楽死措置が採られた。32歳だったガルチは生存するブリーダーズカップ優勝馬の中で最高齢であった。

 1988年BCスプリント(G1)優勝馬ガルチは生殖能力の低下により、2009年にレーンズエンド牧場(Lane's End ケンタッキー州ヴァーサイルス近郊)での種牡馬生活を引退し、オールドフレンズに繋養された。同馬はレーンズエンド牧場の看板種牡馬で、世界中から訪問者やファンを引き付けていた。

 父にミスタープロスペクター(Mr. Prospector)、母に複数のG1を制したジャミーラ(Jameela 父ランバンクシャス)を持つガルチは、21年間の種牡馬生活で76頭のステークス勝馬(うち31頭は重賞勝馬)を出した。ガルチ産駒は合計で9,170万ドル(約110億400万円)以上の賞金を獲得し、その中にはケンタッキーダービー(G1)とベルモントS(G1)を制して1995年最優秀3歳牡馬に選出されたサンダーガルチ(Thunder Gulch)がいる。他のG1優勝産駒には、コートヴィジョン(Court Vision)、グレートナビゲーター(Great Navigator)、ザクリフズエッジ(The Cliff's Edge)、ウォレンダ(Wallenda)、英国とドバイのG1を制したネイエフ(Nayef)、英国のクラシック競走を制した牝馬ハライール(Harayir)、日本のG1馬イーグルカフェ、フランスのG1馬トレンシャル(Torrential)がいる。

 ガルチは、ケンタッキー州でピーター・ブラント(Peter Brant)氏により生産された。通算成績32戦13勝(2着8回、3着4回)で、309万5,521ドル(約3億7,146万円)を獲得した。D・ウェイン・ルーカス(D. Wayne Lukas)調教師とリロイ・ジョリー(LeRoy Jolley)調教師に管理された。

 ガルチは、2歳時(1986年)にホープフルS(G1)とフューチュリティS(G1)を制した。3歳時(1987年)にウッドメモリアル招待S(G1)で優勝し、ベルモントS(G1)で3着となった後、メトロポリタンH(G1)を制した。

 4歳時(1988年)には、ポトレログランデH(G3)、カーターH(G1)を制し、そしてメトロポリタンH(G1)で2勝目を果たした。その後、最高の快挙であるBCスプリント(G1)優勝を達成し、エクリプス賞の最優秀短距離馬に選ばれた。

 オールドフレンズのマイケル・ブローウェン(Michael Blowen)理事長は次のように語った。「ガルチの最初の調教師リロイ・ジョリー氏が言ったように、ガルチはかつてないほど丈夫な馬であったに違いありません。彼は自信にあふれ、冷静で、堂々としていました。尊敬されることを求めない性格でしたが、それがかえって尊敬を集めていました。掛け替えのない馬でした」。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約120円)

[bloodhorse.com 2016年1月17日「Champion Sprinter Gulch Euthanized at Age 32」]


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