アッゼニ騎手にとって2016年は飛躍の年(イギリス)[その他]
アンドレア・アッゼニ(Andrea Atzeni)騎手は2月初め、実り多い初めての日本遠征から慌ただしくニューマーケットに戻ってきた。そして「日本では自分が有名サッカー選手になったかのように感じた」と語った。
準重賞レベルでの2勝を含む10勝を挙げた日本での経験を消化するには、まだ時間が掛かりそうだが、アッゼニ騎手にとって、2016年は飛躍の年となるだろう。
アッゼニ騎手(24歳)は昨年、シンプルヴァーズ(Simple Verse)での英セントレジャー(G1)優勝を含む英国G1・4勝を挙げたが、今後も頻繁に日本で騎乗することを望んでいる。
アッゼニ騎手は次のように語った。「日本であれほど大規模な競馬が施行されているとは知りませんでした。それに、騎手はトップセレブのように扱われています」。
「たとえば、G1前夜はすでに盛り上がっています。翌朝一番乗りをするために前夜から競馬場の外で待っているファンもいるぐらい、人々は熱中していました。G1レースでは、発馬機に入ろうとするときでも拍手が起こります」。
「街中を歩いている時も同じで、騎手はサッカー選手のように扱われ、一緒に写真を撮りたがる人もいます。ちょっと参りましたが、良い経験でした」。
アッゼニ騎手は2月3日、吹きすさぶ冷たい風を物ともせず、ニューマーケットに戻ってきて、ロジャー・ヴァリアン(Roger Varian)調教師の管理馬への調教騎乗を再開させた。同騎手は、かつてヴァリアン厩舎の主戦騎手であったが、1年前にカタールレーシング社からの有利な騎乗オファーを受けた。
カタールレーシング社との契約が終了した後、アッゼニ騎手はオバイド殿下(Mohammed Obaid Al Maktoum)の所有馬に騎乗した。殿下はルカ・クマーニ(Luca Cumani)厩舎に所有馬を預託していたが、昨秋、ヴァリアン厩舎に鞍替えした。ポストポンド(Postponed)が3月にドバイに遠征するときには、アッゼニ騎手は同馬とのコンビを素晴らしい形で再開させることを望んでいる。
アッゼニ騎手は次のように語った。「今年はまだポストポンドに乗っていませんが、毎日見ています。とても調子が良さそうです。ステップレースで使ってからドバイシーマクラシック(G1)に向かうことを予定しています。私は今週、メイダン競馬場でヴァリアン厩舎のバタシー(Battersea)をはじめ3頭に乗ります。今はここでもやることが沢山ありますので、英国とドバイを行ったり来たりすることになりそうです」。
リーディングジョッキーに6回輝いたキーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手は以前、アッゼニ騎手をこのタイトル争いのダークホースと考えていた。しかし、アッゼニ騎手のリーディングタイトル獲得には、現時点で14-1から33-1(15~34倍)のオッズが付けられている。
アッゼニ騎手にとって、2014年はこれまでで最高の年であったが、2015年はリーディングタイトルの対象期間が短くなり、47勝しかできなかった。
しかし、ヴァリアン厩舎には200頭以上の管理馬がいるので、アッゼニ騎手はリーディングタイトル獲得に向けて多くの駒をもつだろう。クレムリンハウス調教場を拠点とするヴァリアン調教師は、この数週間、ウォレンヒル調教場(ニューマーケットの三大公共調教場の1つ)も利用している。
アッゼニ騎手はこう語った。「今年は厩舎に多くの馬がいるようです。オバイド殿下のような馬主であれば、頭数もさることながら、質の良い馬が揃っています」。
「ヴァリアン厩舎で、デインドリーム(Danedream 2011年凱旋門賞優勝馬)が出産したフランケル(Frankel)の2歳牝駒を見ましたが、とても愛らしい馬です。まだ乗ってはいませんが」。
By David Milnes
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[Racing Post 2016年2月4日「Atzeni sets sights on big year following Japan jaunt」]