フランスにおける鞭使用可能回数、6回までに削減(フランス)[開催・運営]
フランスギャロ(France Galop)は2月1日発効の新ルールにおいて、鞭使用可能回数を6回までに削減することを発表した。
鞭使用可能回数は2005年から現在の8回に制限されてきた。これまでに鞭使用違反による大きな事件が頻繁に発生したわけではないが、裁決委員たちは騎手協会と協議した結果、鞭使用可能回数を6回までに削減する決定を下した。
フランスにおける鞭使用可能回数はこの措置により、英国で定められている回数(平地競走7回、障害競走8回)を下回る。英国の裁決委員はこれをうけて、何らかの措置を講じることを考慮するかもしれない。またアイルランドでは通常、鞭使用回数が12回を超えた場合に審議が行われている。
フランスギャロの開催運営担当理事であるアンリ・プレ(Henri Pouret)氏はこう語った。「今回の鞭使用可能回数の削減は、長年取り組んできた鞭の濫用を減少させる構想の一環です。私たちはこれまで、鞭使用可能回数を12回から10回、そして8回にまで削減してきました。また馬への衝撃を軽減するために、パッド付き鞭を導入し、腕を肩より高く上げて鞭を使用することを禁止しました」。
フランスはその方針を引き継ぎ、"悪しき習慣"とされるものは阻止するとの考え方の一環として、一層厳しい罰則を見習騎手とアマチュア騎手に課すことを継続する。一方で、裁決委員がプロの騎手に課すことのできる比較的寛大な制裁は、少しばかり厳しいものとなる。
鞭使用ルールの初犯には、これまでと同じく過怠金75ユーロ(約9,000円)が科される。しかし、その後6ヵ月以内に2度目の軽度の違反(鞭使用可能回数を2回まで超過した場合と定義)を犯した場合、罰則はこれまでの過怠金250ユーロ(約3万円)から1日騎乗停止処分に強化される。
プレ氏はこう語った。「フランスにおいて、現行の鞭使用ルールの違反が繰り返されたことはありませんでした。フランスで騎乗する騎手はルールを大いに尊重しています」。
「もちろん時々違反はありますが、頻繁ではありません。したがって、今回、一層制限的な措置を課すことは、裁決委員が問題と認識していることへの対応ではありません。馬の福祉と競馬のイメージを向上させるために、より多くのことに取り組まなければならないと認識しています」。
英国のルールは、それを超えると審議が要求されるかもしれない鞭使用回数を定めている。一方、それらの鞭使用がすべて効果的であったかどうかの判断は裁決委員の裁量となる。
フランス・英国・アイルランドの3か国は、(1) 馬が反応するのに十分な時間を与えること、(2) 効果のない鞭使用、(3) 鞭を使ってよい馬体の部分、について同じような規定を定めている。
By Scott Burton
(1ユーロ=約120円)
[Racing Post 2017年1月5日「France to lower permitted number of strikes from eight to six」]