過去最多のサラブレッド76頭が中国に空輸(アイルランド)[生産]
1月の第1週目に、過去最多の76頭のサラブレッドがアイルランドのシャノン空港から中国に空輸された。これらの馬は昨秋のゴフス社のセリで、張月勝氏の代理であるBBAアイルランド社(BBA Ireland)により購買されていた。
今回の総額300万ユーロ(約3億6,000万円)の購買馬の空輸は、アイルランド産馬の中国への1回の空輸の中で史上最大のものであり、これまでの記録の倍以上である。これにより、アイリッシュサラブレッドマーケティング社(Irish Thoroughbred Marketing:ITM)が支援する長年にわたるBBAアイルランド社の取組みはピークを迎えた。
この輸送によって中国人の競馬・生産への興味が高まり、さらなる投資を呼び込むことが期待されている。
玉龍馬業(YuLong Investments)の張氏は、ITMおよび中国への競走馬の販売に取り組むBBAアイルランド社のマイケル・ドナフー(Michael Donohoe)セリ担当部長の紹介により、アイルランドのセリに参加した。
BBAアイルランド社のデクラン・マレー(Declan Murray)社長はこう語った。「アイルランドの馬産業、特に張氏が多数の馬を購買した小規模生産者には、本当に素晴らしいビジネスです。これらの馬の多くはアイルランドや欧州の市場の高い水準には合わないかもしれませんが、それでも現在中国で競走している平均的な馬よりも高い水準です」。
「アイルランドの生産者は、他では付かないような上々の価格で生産馬を購買してもらいました。アイルランドの生産界は中国の新興市場をさらに発展させ、中国は一層質の高い競走馬を手に入れます。誰もが得をするというわけです」。
この空輸にはプロのフラインググルームのチームと獣医師が同乗した。また、シャノン空港では30人の取扱者が3時間におよぶ馬の乗込み作業を行った。
BBAアイルランド社のアン・マリー(Ann Mulley)輸送担当部長はこう語った。「私たちは馬の購買後3ヵ月にわたってこの輸送のために取り組んできました。経験豊富な人々が携わったこれまでで一番野心的なプロジェクトの1つでしたので、これを達成できたことに本当に満足しています」。
「今回のことはアイルランドにとって、中国にビジネスチャンスがあるというだけではなく、それを実現につなげる能力が私たちにあるということを示しています」。
これらの馬は1月5日(木)深夜に北京に到着し、週末にかけて厩舎に輸送された。そして現在、中国でトップクラスの競走馬となるために調教を受けようとしている。
By Zoe Vicarage
(1ユーロ=約120円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2016年No.43「中国人投資家の張月勝氏、ゴフス社セールで存在感を示す(アイルランド)」
[Racing Post 2017年1月8日「Record number of thoroughbreds transported to China」]