クリスチャン・デムーロ騎手のお気に入りの5競馬場(国際)[その他]
ドーヴィル競馬場(フランス)
この競馬場の直線コースで仏2000ギニー(G1 1600m)と仏1000ギニー(G1 1600m)の優勝を達成したので、ドーヴィルがお気に入りの競馬場の1つであることは言うまでもありません。とりわけラクレソニエール(La Cressonniere)で2016年仏1000ギニーを制したときは、仏G1初優勝でしたので、人生において特別に感動的なひとときでした。私たちはその後、仏オークス(G1 シャンティイ競馬場)も勝つことができました。ドーヴィルの直線コースで勝つには、このコースのことを少し知っていなければなりません。そして馬を落ち着かせる方法も身につけなければなりません。そうしないと、ゴールまで持ちません。
阪神競馬場(日本)
とても壮麗な阪神競馬場で生涯初のG1優勝を達成したのは、特別な瞬間でした。阪神競馬場は、乗り心地が最高の右回りの競馬場です。それは春の競馬場が満開の桜に囲まれている時期でした。風光明媚な環境で、アユサンで桜花賞(G1)優勝を達成したことは、素晴らしい思い出です。それにその時、兄ミルコを首差で下すことができたのです。
アスコット競馬場(イギリス)
アスコット競馬場では、2012年にシャーガーカップ(騎手招待競走)で1勝を挙げ、2015年チェシャムS(L ロイヤルアスコット開催)においてスーツユー(Suits You)で優勝しました。アスコットで騎乗したことのある騎手は皆、"ロイヤルアスコット開催は最高峰だ"と言います。当時私は英国ではほとんど無名でしたので、スーツユーでの勝利はキャリアにおいて大きな助けとなりました。フランスでコンビを組むようになる何人かの調教師と契約を交わすことができました。いずれにせよ、この職業においてずっと付いて回る事柄は、勝てば受け入れられ方が変わるということです。
ロンシャン競馬場(フランス)
ロンシャン競馬場は現在のコースのレイアウトからすれば、世界最高の競馬場の1つだと思います。この競馬場を特別なものとならしめているのは、フォルスストレート(4コーナーの高低差10 mの「偽りの直線」)です。"滑り台"とも言える1400mのコース(訳注:3コーナーのポケットからスタートし、すぐにフォルスストレートに到達し、流れるように直線に入るコース)で競うことは、騎手にとってまさに喜びであり、私はフォルスストレートがあることでトリッキーになるこの距離のレースが大好きです。馬はフォルスストレートで気合が入りスパートし始めますが、勝負どころはその後なので、そこで走りすぎてしまうとゴールまで持ちません。
カパネッレ競馬場(イタリア)
私の生まれ故郷の競馬場というだけではなく、800mの直線を持つ、コース構成がしっかりした競馬場です。伊ダービー(G2)を2勝し、他にも多くのビッグレースを制してきました。カパネッレ競馬場は美しい環境の中にあり、グランドスタンドと特別観覧席には歴史が感じられます。ビッグレースが開催される日には多くの観客が集まり、騎手にとってはすべてが大変良く配慮された競馬場です。
[Racing Post 2017年7月15日「My Top Five―Jockey Cristian Demuro lists his favourite racecourse」]