ウィンクス、"持ったまま"で21連勝を達成(オーストラリア)[その他]
ヒュー・ボウマン騎手は、ウィンクス(Winx 牝6歳 父ストリートクライ)は左回りのほうが得意だと言っていた。10月7日、ウィンクスはそれを証明するように、フレミントン競馬場(左回り)のターンブルS(G1)をほぼ持ったままで制し、連勝記録を21に伸ばした。
ボウマン騎手は、「特別なパフォーマンスでしたが、驚くにおよびません。信じられないかもしれませんが」と語った。
このレースでは、類まれな競走馬の輝きとパワーが目立った。支配的であるが優美である。厩舎から1000 kmも離れたフレミントン競馬場に遠征したウィンクスは、まるで地元にいるように落ち着いていた。
ボウマン騎手はこう続けた。「ウィンクスの落着きぶりにとても満足しています。調教でいつものようによく走ったことは知っていました。ただ、彼女のここでの落着き具合には、大変驚かされました。この1週間ずっとそう言ってきました。今日のレースでウィンクスは彼女らしさを取り戻しました。前走では、なぜかあまり意欲的ではありませんでした。やる気のない日だったのかもしれませんが、それでも堂々と優勝しました」。
レースが後半に差し掛かるとき、ウィンクスは気持ち良さそうに走っていたが、先頭からは8馬身離されていた。ボウマン騎手は最終コーナーの近くで、ウィンクスを外側に出して先行馬に迫らせた。
ボウマン騎手は手綱を前後に振っていたにすぎない。ウィンクスはそれまで何度もやってきたように、残り300メートルの地点でスパートし始めた。
決勝線を駆け抜けたとき、2着馬ヴェンチュラストーム(Ventura Storm)との着差は6½馬身だった。前走でG1優勝を果たしたヒュミドール(Humidor)はさらに¾馬身後ろの3着となった。ウィンクスは、メルボルン周辺の競馬場(フレミントン・コーフィールド・ムーニーバレー)のG1競走を4勝したことになる。それらの優勝における2着馬との着差は合計で21馬身以上となった。
ボウマン騎手はこう語った。「今日彼女に乗ったとき、良い仕事ができるだろうと思っていました。何か特別なことを達成すると感じていました。ただ単にギャロップするだけで、レースが思い通りに展開しました。あまり考える必要はありませんでした。鞍に座り、観客と同様にレースを楽しみました」。
「ウィンクスは特別な馬で、彼女に関わることは大変な名誉です。期待が大きい分、大きな責任を負います。しかし彼女は頼りにできます」。
ウィンクスにとってこれはG1・14勝目となり、豪州の殿堂入りを果たしたキングストンタウン(Kingston Town)の記録に並んだ。ウィンクスが3週間後にコックスプレート(G1)3勝目を果たせば、その記録を破ることになる。
クリス・ウォラー(Chris Waller)調教師はウィンクスの快挙をただ喜んでいた。そして、「私たちの目には、ウィンクスが好調を保っているように見えます。彼女には調教のマニュアルなどありません。私たちは何とか適切な調教ができているようですが、私たちの調教がうまく行くように彼女が頑張ってくれるのです」と語った。
By Chris Roots
[bloodhorse.com 2017年10月7日「Winx Simply Brilliant in Turnbull Stakes」]