DMM.comがニューマーケットでフランケル牝駒を購買(日本・イギリス)[生産]
「DMM.com(ディーエムエムドットコム)」は、サラブレッド市場では聞き慣れない企業名かもしれない。しかし、この日本企業は早々と大きな衝撃をもたらした。10月4日、タタソールズ社10月1歳セール(ニューマーケット)でフランケルの牝駒を140万ギニー(約2億2,050万円)で購買したのだ。同社は7月のJRHAセレクトセールでジェンティルドンナの当歳の全妹を3億7,000万円で購買していた。その所有馬は着々と増えている。
DMM.comの代表としてセリに参加したヨアン・ガンシュ(Yohann Gainche)氏は、「何日も前からこの美しい牝駒に大変興味をもっていたので、購買できてとても嬉しいです。日本に連れて帰って、日本で競走させます」と述べた。同氏はセリの間、DMM.comの馬主事業を統轄する野本巧取締役から電話で指示を受けていた。
DMMは約45種類の事業に関与する電子商取引会社である。インターネットによる通信販売、オンライン映像サービス、ゲームアプリ、そしてクラブ法人馬主事業などを行っている。
ガンシュ氏は、「クラブ法人馬主事業は数ヵ月前に始まったばかりです。DMM.comの考え方は、事業は小規模で始めて、軌道に乗ったらより多くを投資するというものです」と語った。
DMMが購買したこの牝駒は、生産者グランジコンスタッド(Grangecon Stud)の代理人のザキャッスルブリッジコンサインメント(The Castlebridge Consignment)により上場された。同馬はカナディアンインターナショナルS(G1)優勝馬サラリンクス(Sarah Lynx 2011年ジャパンカップ12着)とサンダウンクラシックトライアル(G3)優勝馬シュガーボーイ(Sugar Boy)の半妹である。デインヒルの3×2のクロスを持ち、母はG3優勝馬スティールプリンセス(Steel Princess 父デインヒル)である。
ガンシュ氏は英オークス優勝馬タレント(Talent)の半妹であるフランケル牝駒を巡って、アラステア・ドナルド(Alastair Donald)氏と競り合ったことでも注目を浴びた。最終的にドナルド氏が250万ギニー(約3億9,375万円)でこの牝駒を落札した。
ガンシュ氏はこう付言した。「ドナルド氏と競り合ったことは、本当にいい経験です。ホースビジネスにおける最初のステップですが、いろんな話を聞き、多くの人々に会えば会うほど、この仕事に魅力を感じます。これまでセリに参加したことはありましたが、こういった雰囲気を味わったことはありませんでした。残念ながら落札できませんでしたが、素晴らしい競り合いでした」。
By James Thomas
(1ポンド=約150円)
[Racing Post 2017年10月5日「Japanese operation quick to make its mark with 1,400,000gns Frankel filly」]