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海外競馬ニュース
2017年11月09日  - No.44 - 3

ジョセフ・オブライエン調教師、メルボルンカップを最年少優勝(オーストラリア)[その他]


 11月7日の総賞金600万豪ドル(約5億4,000万円)のメルボルンカップ(G1 3200m フレミントン競馬場)において、リキンドリング(Rekindling)を先頭にアイルランド調教馬が1着~3着を占めた。優勝馬の馬主ロイド・ウィリアムズ(Lloyd Williams)氏は、"ジョセフ・オブライエン(Joseph O'Brien)調教師はその父のように世界一の調教師になる"と確信している。

 ジョセフ・オブライエン調教師は、父の数々の偉業を誇りに思っているだろう。しかし、同調教師は24歳にして、世界最高賞金のハンデキャップ競走で父を負かし、このレースの最年少優勝調教師となったのだ。

 この注目に値する快挙は、父エイダン・オブライエン調教師が手掛けるヨハネスフェルメール(Johannes Vermeer)を破って達成され、メルボルンカップの157年の歴史の中でも最も手に汗握る勝負の1つとなった。なお、2015年の2着馬マックスダイナマイト(Max Dynamite)が3着となった。

 ウィリアムズ氏はこう述べた。「私に意見を聞いてくる人には、ジョセフ氏は数年後に世界一のトレーナーになるだろうと言っています。彼の父親は警戒しなければなりませんね」。

 「ジョセフ氏がキャリアの見事なスタートを切ったのを、誰もがここメルボルンで目の当たりにしました。非凡な青年で、これは驚くべき快挙です」。

 リキンドリングは4月8日、バリーサックスS(G3 レパーズタウン競馬場)で優勝した。メルボルンカップは今シーズン7戦目だった。まだ3歳だが、英ダービー(G1)や英セントレジャー(G1)などで激しい競走を経験してきた。このような苦労を重ねたシーズンの最後にメルボルンカップで優勝することは、ジョセフ・オブライエン調教師の卓越した能力によるものである。しかし、同調教師は謙遜しその称賛を馬に向けた。

 見るからに衝撃を受けているジョセフ・オブライエン調教師はこう語った。「全く信じられません。素晴らしいことです。リキンドリングは丈夫な馬で、大変調教しやすく、ほとんど手が掛かりませんでした。しかし信用のおける素晴らしい馬です」。

 「負担重量が軽く、良い枠順を引きました。そのようなことが功を奏することはビッグレースではあまりありません。しかし、レースの間ずっとリキンドリングの走りぶりに感心していました。これまででこんなに嬉しいことはありません。全てが上手く行ったことに満足しています」。

 リキンドリングはこのレースにおいて1941年以来最も若い優勝馬である。調教師よりも17歳年上のコーリー・ブラウン(Corey Brown)騎手は、2009年のショッキング(Shocking)に続く2回目のメルボルンカップ優勝を果たした。

 残り100メートルの地点でヨハネスフェルメールがトップに立ったとき、父エイダン・オブライエン調教師のこれまでのメルボルンカップでの不運は終わったように思われた。しかし、リキンドリングはまだ力を溜めており、ヨハネスフェルメールを差して½馬身差で勝利した。

 2着馬の調教師はどのように感じているだろう?疲れ果てたのか?意気消沈しているのか?実際はそのような様子は少しもなく、ヨハネスフェルメールで優勝したとしても見せなかったかもしれない嬉しそうな表情を見せていた。

 エイダン・オブライエン調教師はこう語った。「まったく素晴らしいことです。これ以上嬉しいことはありません。完璧な結果です。最後の直線ではずっと、私たちの馬が2着になることを祈っていました。このような展開に満足しています」。

 同調教師は来賓室で夫人のアンヌマリー氏や他の3人の子供と一緒に、ジョゼフ氏を応援しながらレースを見ていた。そしてこう続けた。「ジョセフには多くの激励と声援がありました。今や、家族の中で誰が一番人気があるかは明らかです。とてもよかったと思います。彼は懸命に働いてきたので、今日の快挙を誇りに思っているでしょう」。

 「ヨハネスフェルメールはまたもや激しいレースを戦いました。この馬には満足しています。ただ、道中でより強い馬に負かされただけです」。

 ウィリー・マリンズ(Willie Mullins)厩舎のマックスダイナマイトは、ヨハネスフェルメールの2½馬身後ろの3着となった。また、ビッグデューク(Big Duke)はその 2¾ 馬身後ろの4着となり豪州調教馬で最高の順位となった。

 イボアH優勝馬ナキータ(Nakeeta イアン・ジャーディン厩舎)は5着に健闘し、その後にマックスダイナマイトと同じ厩舎のトーマスホブソン(Thomas Hobson)が続いた。ジョアン・モレイラ騎手がその日負傷したために、トーマスホブソンにはベン・アレン(Ben Allen)騎手(18歳)が騎乗していた。

 メルボルンカップ初騎乗のオリヴィエ・ペリエ騎手はティベリアン(Tiberian)で7着となった。また、ヒューイ・モリソン(Hughie Morrison)厩舎のマルメロ(Marmelo )は9着、マリンズ調教師の3頭目の出走馬ウィックローブレーブ(Wicklow Brave)は10着となった。

 フランキー・デットーリ騎手が騎乗した昨年の優勝馬アルマンダン(Almandin)は12着、ヒューゴ・パーマー(Hugo Palmer)厩舎のウォールオブファイア(Wall Of Fire)は16着だった。また、リキンドリングと同じ厩舎のユーエスアーミーレンジャー(US Army Ranger)は23頭中18着となった。

 フーショットザバーマン(Who Shot Thebarman 9歳)は気温上昇のために出走取消となった。これにより最年長でメルボルンカップを制して歴史を作ろうとする同馬の挑戦は頓挫してしまった。

 リキンドリングは馬主ウィリアムズ氏にとって、6頭目のメルボルンカップ優勝馬である。同氏は昨年もアルマンダンで同レースを制してこのレースの最多勝馬主となっており、ヨハネスフェルメールも所有している。

 マリンズ調教師は3着となったマックスダイナマイト(7歳)についてこう語った。「彼には満足しています。直線で抜け出して勝利を手にすると考えた瞬間もありましたが、結局年齢には勝てませんでした」。

 今年のメルボルンカップは少なくとも、若さを味方につけた者に有利だったようだ。


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By David Jennings

(1豪ドル=約90円)

[Racing Post 2017年11月7日「Son beats father as Rekindling reels in Vermeer in Melbourne Cup」]


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