ラドブロークス社に場内ベッティングショップの営業停止命令(イギリス)[開催・運営]
ラドブロークス社(Ladbrokes)は、アリーナレーシング社(Arena Racing Company:ARC)が所有する6競馬場で営むベッティングショップをすべて閉店するように命令された。これは、新たに設立されたベッティングショップへの映像提供会社ザレーシングパートナーシップ(The Racing Partnership: TRP)との論争が極めて深刻化したためである。
ラドブロークス社は、ドンカスター、ウォルヴァーハンプトン、リングフィールド、ウスター、サウスウェル、ウィンザーの各競馬場でベッティングショップを運営しているが、これらの店舗の営業は無期限で認められないと通知された。
TRPは、契約を交わしていないラドブロークス社とその他の大手ブックメーカーが映像を見ながら実況していることで、同社の映像データを不当に使用しているとの法的申立てを行っている。
この営業停止命令は1月27日から有効であり、ラドブロークス社は27日と28日に開催のあるドンカスター競馬場とリングフィールド競馬場でベッティングショップを営業できない。同社はドンカスター競馬場内で3店舗のベッティングショップを運営している。
TRPは高等法院衡平法部で、コーラル社(Coral)、ラドブロークス社、コーラル-ラドブロークスグループ(Coral-Ladbrokes Group plc)、ベットフレッド社(Betfred)、SIS社(Satellite Information Services: 衛星情報サービス)に関する申立てを行った。
2017年初めから、これらの6競馬場の映像は、オーナーがTRPと契約を交わしているベッティングショップのみでしか視聴できない。TRPはARC所有の15競馬場と7つの独立競馬場を代表している。
他の16競馬場は2018年初めからその映像提供サービスをこれまでのSIS社ではなくTRPに委託する。
ラドブロークス社はこれらのARC所有の6競馬場でベッティングショップを運営する唯一のブックメーカーである。同社のメディア担当理事デヴィッド・ウィリアムズ(David Williams)氏はこう語った。「TRPとの間で進行中のメディア権を巡る話合いの結果、場内ベッティングショップを閉店する必要があると先日伝えられました。無期限の閉店となります」。
交渉が行き詰まったため、大手ブックメーカー3社は英国の競馬場からの映像配信を受けられなくなった。これらのブックメーカーは顧客に競馬賭事を提供するために、映像を見ながら実況するなど他の方法を用いた。それらの方法の合法性についてはTRPにより調査されている。
最近TRPとメディア権の長期契約を交わした大手ブックメーカーは、ウィリアムヒル社(William Hill)である。これにより、英国・アイルランドの4,000店以上のベッティングショップで、競馬場の映像を視聴することができる。
ARCは現在、この件についてコメントしてない。
By Jon Lees
[Racing Post 2017年1月26日「Arc forces Ladbrokes shops off racecourse」]