トレヴを凱旋門賞連覇に導いたジャルネ騎手が引退(フランス)[その他]
名牝トレヴ(Treve)を凱旋門賞(G1)連覇に導いたティエリー・ジャルネ(Thierry Jarnet)騎手は2月24日、引退を表明した。同騎手は凱旋門賞で最多タイの4勝を挙げている。
3月に50歳となるジャルネ騎手は、騎乗を続けるには膝に抱えている傷が深刻化しており、引退を決意したと語った。同騎手はフランスで4回リーディングタイトルを獲得し、世界中の数々のビッグレースを制した。
同騎手はこう語った。「この傷は回復に時間を要するので、さらに治療を受けなければなりません。この治療を続けながら再び騎乗することはできません。どちらかを選択するしかないのです。そして膝の治療を続けることをすでに決意し、引退することがベストだと考えました」。
「レースで騎乗する上で膝はとても重要であり、そこに自信がなければ、激しい競走を繰り広げることは困難です。しかし、人生とはそういうものです。これまで素晴らしいキャリアを築くことができました。何事にも潮時があります」。
ジャルネ騎手は1990年にアンドレ・ファーブル(Andre Fabre)厩舎の所属騎手となり、多くのビッグレースを制した。1992年にスボーティカ(Subotica)で達成した凱旋門賞初優勝、アップルトゥリー(Apple Tree)での1994年コロネーションカップ(G1)優勝、ペニカンプ(Pennekamp)での1995年英2000ギニー(G1)優勝などである。
ジャルネ騎手は1994年にカーネギー(Carnegie)で凱旋門賞2勝目を挙げたが、3勝目は2013年のトレヴでの優勝を待たなければならなかった。さらにその1年後、再びトレヴで印象深い勝利を挙げた。
他に凱旋賞4勝を果たしている騎手は6人いる。ジャック・ドワヤスベール(Jacques Doyasbere)騎手、フレディ・ヘッド(Freddy Head)騎手、イヴ・サン-マルタン(Yves Saint-Martin)騎手、パット・エデリー(Pat Eddery)騎手、オリヴィエ・ペリエ騎手、フランキー・デットーリ騎手である。
ジャルネ騎手は、現在は一流調教師となりコンビを組むことの多いフレディ・ヘッド氏、その妹のクリケット・ヘッド-マアレク(Criquette Head-Maarek)氏、そしてアンドレ・ファーブル調教師に敬意を表した。
「私のキャリアを決定づけた人々の中でも、ヘッド一族とは素晴らしい関係を保ち続けてきました」。
「騎手生活の早い段階で、まだ騎手だったフレディから沢山のことを教わり、彼が調教師になってからは多くの管理馬に乗せてもらいました。我々は、仕事上の関係を超越するものを築き、ただの騎手と調教師よりもずっと強く結束していました」。
「また、アンドレ・ファーブル調教師の下で働いた9年間においても、大変多くのことを学びました。このような関係のおかげで、トレヴ、ムーンライトクラウド(Moonlight Cloud)、スボーティカなどの誰もが覚えている名馬に乗ることができました」。
同騎手はこう続けた。「偉大な馬とコンビを組めて幸運でした。50歳を前にして、これらの馬に乗れたことは思いがけない贈物でした。すべての騎手は一流馬に乗ることを目標としているので、この巡り合いは大きな喜びをもたらしてくれました」。
現在、ジャルネ騎手は膝を回復させることを最優先としている。「妻のサンドリーヌは現在、競走馬を所有していないので、私は健康を取り戻すことに専念できます。休息を取ってから、次に何をするかを決めたいと思います」
By Scott Burton
[Racing Post 2017年2月24日「Treve rider Jarnet quits saddle after illustrious career」]