英国最古のチェスター競馬場、総工費1億ポンドの大規模改装計画(イギリス)[開催・運営]
英国最古のチェスター競馬場は、総工費1億ポンド(約150億円)と見込まれる大規模改装計画を発表した。この計画により、2つのグランドスタンドが新たに建設され、さまざまな設備改善が行われる予定。
この改装計画で最も目を引くのは、競馬開催日以外は会議場として利用されるイベントビル(3階建て)の建設である。それは、競馬場敷地内のホテル"ホリデーインエクスプレス(Holiday Inn Express)"に隣接することになる。また、レヴァーハルムスタンド(Leverhulme Stand)に替わり新たに建設される近代的なパビリオングランドスタンドには、接待用ボックス席やレストラン&バーエリアが設けられる。
正門改修工事に関する詳細は、1月に発表された。これについてはすでに建築許可が下りており、5月の競馬開催までに完成する予定。
2月26日と27日、多岐にわたる再開発の提案がチェスター競馬場で一般に向けて展示された。4月には、次の段階の計画申請が地元自治体に提出される。
チェスターレースカンパニー社(Chester Race Company)のCEOリチャード・トーマス(Richard Thomas)氏はこう語った。「これは実に規模の大きい改装計画です。私たちは、チェスター競馬場が10年~15年後にどこまで進化できるか挑戦するために取り組んできました」。
「私たちは、2つのグランドスタンドの建設、収容人数の増加、設備改善、そして将来的には敷地内にデザインホテルを建てることも検討していきたいと思います」。
「私たちは幸運にも、たくさんの観客を迎えています。しかし彼らは、より良い設備と楽しい競馬体験が提供されなければ来場してくれないでしょう。私たちは競馬ファンに最先端の設備を提供したいと思っています」。
チェスター競馬場の役員たちは、メディア権に関する判断を巡っても多忙である。その結果次第では、これまでのレーシングUK社(Racing UK)ではなくアットザレーシズ社(At The Races)を通じてチェスター競馬場のレースは放映されるかもしれない。
チェスター競馬場は、競馬場メディアグループ(Racecourse Media Group:RMG)の創設メンバーであり、レーシングUK社はRMGの傘下にある。しかし同競馬場は、12ヵ月後に更新時期を迎えるレーシングUK社との契約の延長にまだ同意していない。
この数週間、RMGがGBIレーシング(GBI Racing 英国・アイルランドの競馬映像を海外賭事業者に販売する合弁会社)から手を引いたことで、メディア権を巡る状況は劇的に変化してきた(訳注:GBIレーシング社は、RMG傘下のレーシングUK社とアリーナレーシング社傘下の競馬専門チャンネルであるアットザレーシズ社の共同事業体である)。また、アイルランドの競馬映像がこれまでのアットザレーシズ社ではなく2019年からレーシングUK社を通じて放映されることになるという衝撃的な展開があった。
トーマス氏はこう語った。「私たちがメディア権について検討し始めてから、状況に少し変化がありましたので、私たちは現在の状況を考察しています」。
「状況は絶え間なく変わっているので、私たちはアスコット競馬場のように、何が利用可能であり、何がチェスターにとって一番良いか検討しているところです。近い将来、決定を下すでしょう」。
チェスターレースカンパニー社はバンガー競馬場(北ウェールズ)も所有している。同競馬場はチェスター競馬場の決定に従って、メディア権についての決定を行うと思われる。
By Andrew Dietz
(1ポンド=約150円)
[Racing Post 2018年2月28日「Chester unveils plans for £100m grandstand upgrade」]