トーストオブニューヨーク、再び米国での冒険に乗り出す(アメリカ)[その他]
トーストオブニューヨーク(Toast Of New York 7歳)は、8月に再び米国での冒険に乗り出す構えだ。この冒険のクライマックスはBCクラシック(G1)再挑戦となるだろう。同馬は2014年にサンタアニタ競馬場で施行されたこのレースで、バイエルン(Bayern)の鼻差の2着となっている。
同馬は2017年12月、3年間のブランクを経て驚くべき現役復帰を果たした。その復帰劇では、1月のペガサスワールドカップ(G1 ガルフストリームパーク競馬場)で優勝馬ガンランナー(Gun Runner)に大きく突き放され最下位となっていた。
同馬を管理するジェイミー・オズボーン(Jamie Osborne)調教師は、トーストオブニューヨークの次走に8月4日のホイットニーS(G1 サラトガ競馬場)を検討している。しかし、サラトガ開催(7月20日~9月3日)で適当な格下レースがあれば、そちらも考慮するだろう。
これまで10戦しているトーストオブニューヨークの獲得賞金は190万ポンド(約2億7,550万円)。これには、2014年UAEダービー(G2)優勝、パシフィッククラシック(G1 デルマー競馬場)2着、BCクラシック2着が大きく寄与している。
同馬は腱を損傷した翌年、カタールで1年間種牡馬生活を送った。そして馬主アルシャカブレーシング(Al Shaqab Racing)は、怪我から回復した同馬をオズボーン厩舎に入れて、現役復帰させた。
オズボーン調教師はこう語った。「トーストオブニューヨークは米国遠征で生じる諸問題を回避するために去勢されました。なぜなら、彼は種牡馬として種付けを行っていたので、いかなる期間であろうと米国に滞在させることは手続面でとても複雑なものとなるからです」。
「米国で数頭の牝馬に種付けして1ヵ月待つか、あるいは24時間監視体制下に置くか、いずれかの措置が必要となっていたでしょう」。
「前回の遠征では、フロリダで24時間監視体制下に置かれましたが、1週間しか滞在しませんでした。しかし、今回の遠征では、数日ではなく数ヵ月間滞在しようとしているので、24時間監視体制の場合はかなりの費用が掛かってしまうでしょう」。
「いずれにせよ、去勢することを考えていましたので、これは転機となりました。種牡馬にさせることで生じる商業的プレッシャーがありませんので、今後数年間にまずまずのレベルのレースに出走させて楽しみたいと思っています」。
同調教師はこう続けた。「計画としては、8月に渡米します。すべてが順調なら10月まで滞在し、成果があればBCクラシック(チャーチルダウンズ競馬場)を目指します」。
「目標を下げるとしても、米国には多くの選択肢があります。ホイットニーSには間に合わないかもしれません。わずかに難易度の低いレースから始めて、徐々にレベルを上げていきたいと考えています」。
「彼が出走できる条件戦もあるでしょう。それがサラトガ競馬場であれば良いのですが、いずれにしても東海岸を拠点とする予定です」。
2018年1月、ガルフストリームパーク競馬場のペガサスワールドカップで、トーストオブニューヨークがガンランナーを脅かす存在となることに強い期待があった。同馬は1,130日のブランクがありながらも、リングフィールド競馬場の条件戦で見事に優勝を果たしていた。しかし同馬はペガサスワールドカップで苦戦し、圧倒的に強い優勝馬ガンランナーに50馬身突き放されて最下位でゴール板を通過した。
オズボーン調教師はこう振り返った。「サッカーで言えば、私たちはハーフウェイラインからシュートを打ったようなものです。たまに入りますが、ほとんど入りません」。
「それでも正々堂々とした挑戦であり、私たちの目標にふさわしいと思って出走を判断しました。後になって少し後悔しましたが、過ぎてしまったことです」。
「トーストオブニューヨークは現在、調子が良いようで、レースに出走する準備ができています。ジョアン殿下とアルシャカブレーシングのチームは、この計画を支持してくれており、私と同様、彼のさらなる冒険を楽しみにしています」。
By Jon Lee
(1ポンド=約145円)
[Racing Post 2018年7月11日「Toast Of New York on another adventure that could lead to second Classic bid」]