優良長距離馬オーダーオブセントジョージが引退(アイルランド)[その他]
2016年ゴールドカップ(G1)優勝馬オーダーオブセントジョージ(Order Of St George 牡6歳)が引退した。エイダン・オブライエン調教師は同馬を、「凱旋門賞(G1)で熱戦を繰り広げた驚くべきステイヤー」と称賛した。
オーダーオブセントジョージは、9月15日の愛セントレジャーS(G1 カラ競馬場)で同レースの3勝目を挙げることを目指していた。しかしオブライエン調教師は、「欲張りたくありませんし、G1・3勝を果たしたオーダーオブセントジョージの競走生活を終わらせることが最善の決定だと考えました」と述べた。
そしてこう続けた。「深刻な理由があるわけではありません。年を取ってきただけです。素晴らしい馬でした。大柄で強靭でいつも息が長くもちました。驚くべきステイヤーでしたが、凱旋門賞でも熱戦を繰り広げた立派な馬です。良・重・不良などすべての馬場状態に適応しました。どのような展開でも融通がきく馬でした。多くの勝利を挙げましたが、いくつかのレースで僅差で敗れたのは少し不運でした」。
去勢されていないオーダーオブセントジョージは、今後は種牡馬生活を送ることになる。通算成績は25戦13勝、獲得賞金は約200万ポンド(約2億9,000円)。2015年と2017年に愛セントレジャーSを制し、2着馬との着差は合計で20馬身にもなる。
2016年愛セントレジャーSでは、同馬は、フランキー・デットーリ騎手が手綱をとったウィックロウブレーヴ(Wicklow Brave)に僅差で敗れた。また、2016年と2017年の凱旋門賞(シャンティイ競馬場)ではそれぞれ、同厩馬ファウンド(Found)の3着、エネイブル(Enable)の4着に敗れた。
愛セントレジャーSの有力馬にラトローブが浮上
オーダーオブセントジョージが不在となることで、ジョセフ・オブライエン調教師は、愛ダービー馬ラトローブ(Latrobe)を英セントレジャーS(G1 ドンカスター競馬場)ではなく愛セントレジャーSに出走させるようだ。ラトローブは8月の英インターナショナルS(G1 ヨーク競馬場)で7着に敗れている。
同調教師はこう語った。「2レースを検討すれば、今では愛セントレジャーSの方が制しやすいかもしれません。カラに行くでしょうね。どのような展開でも問題ないと思います。英インターナショナルSで走ってから、ラトローブは良化しています」。
現在、愛セントレジャーSの出走予定馬は10頭残っている。エイダン・オブライエン調教師はその中から、キューガーデンズ(Kew Gardens)、サザンフランス(Southern France)、ザペンタゴン(The Pentagon)、ネルソン(Nelson)を英セントレジャーS(G1)に出走させる予定。
同調教師は、「現時点では、アイダホ(Idaho)とフラッグオブオナー(Flag Of Honour)を愛セントレジャーSに向かわせるつもりです」と述べた。
サクソンウォリアー、愛チャンピオンSでの反撃に備える
エイダン・オブライエン調教師は、本来の調子を取り戻したサクソンウォリアーが9月16日の愛チャンピオンS(G1 レパーズタウン競馬場)で反撃すると確信している。ディープインパクト産駒の同馬は、エクリプスS(G1)と英インターナショナルSでロアリングライオン(Roaring Lion)の後塵を拝したが、再対戦にむけて活力がみなぎっていると、同調教師は伝えた。
「英インターナショナルSの後のサクソンウォリアーの進化に満足しています。同馬はエクリプスSの後に病気に罹りましたが、私たちは彼が復活できるように手を尽くしました。レパーズタウン競馬場では見違えるほどのパフォーマンスをするでしょう。レースが楽しみです」。
愛チャンピオンSでは、サクソンウォリアーとロアリングライオンは出走予定馬10頭の中で一際目を引くが、ディープインパクト産駒のスタディオブマン(Study Of Man パスカル・バリー厩舎)も手強い相手となり得るだろう。
By David Jennings
(1ポンド=約145円)
[Racing Post 2018年9月11日「Aidan O'Brien hails 'incredible' Order Of St George as star is retired」]