オーナーブリーダーのファレス氏、アルカナ社セールで全所有馬を売却(フランス)[生産]
レバノン人オーナーブリーダーのイッサム・ファレス(Issam Fares)氏は、ミスアレッジド(Miss Alleged)、ハイエストオナー(Highest Honor)、レディウィナー(Lady Winner)などでビッグレースを制してきた。同氏はアルカナ社(Arqana)の繁殖セール(2018年12月8~11日)と混合セール(2019年2月12~13日)で、その競走馬・繁殖馬をすべて売却する。
ファレス氏はこう語った。「競馬と生産は私にこの上ない喜びをもたらしました。ミスアレッジドとダホス(Da Hoss)はブリーダーズカップで優勝し、自家生産馬カーリン(Curlin)は年度代表馬に2度選出され、ハイエストオナーは多くのトロフィーを獲得しました」。
「思い出一杯のページをめくるのは難しいことです。しかし、私に大きな喜びをもたらしたファミリー(牝系)がこれからも他の生産者のもとで繁栄し続けることを望んでいます」。
ファレス氏は、1980年代・90年代にドーヴィルのセリで絶大な勢力を有し、フランス・英国・米国で生産帝国を発展させてきた。1998年に所有馬ほぼ全てを売却したが、フランスで再び馬を出走させるようになり、注目すべき勝利を挙げてきた。
同氏はこの15年間、ジャン-クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師と良好な関係を築き、ズゴルタダンス(Zghorta Dance)、バイノホープ(Baino Hope)、ウェッジトラスト(Wedge Trust)、バイノロック(Baino Rock)、ワイヤートゥワイヤー(Wire To Wire)など一連の良質馬で重賞・リステッド競走を制してきた。
ファレス氏のマンヌヴィル牧場(Haras de Manneville)は、看板繁殖牝馬4頭を上場する。それはズゴルタダンス、ウェッジトラスト、バイノホープとその半妹ローマンリッジ(Roman Ridge)であり、アルカナ社繁殖セールにエントリーする予定である。
残りの馬は、アルカナ社混合セールに上場される予定。その中には、キャメロット(Camelot)、ルアーヴル(Le Havre)、シユーニ(Siyouni)、ウートンバセット(Wootton Bassett)、ダビルシム(Dabirsim)、アンテロ(Intello)などの1歳産駒14頭が含まれるだろう。一方、アノダン(Anodin)、チャームスピリット(Charm Spirit)、ダビルシム、ザラック(Zarak)の産駒を受胎した繁殖牝馬も上場される。
ファレス氏の競走馬はすべてルジェ調教師に管理されたが、それらの馬も混合セールに上場されるだろう。
アルカナ社のエリック・オワイヨー(Eric Hoyeau)会長はこの処分セールについてこう語った。「アルカナ社がファレス氏のサラブレッド遺産を売却する場として選ばれたことを光栄に思います。彼は馬主としても生産者としても世界中で大成功を収めました」。
「生産者たちは繁殖セールで、ミスアレッジド、アクトワン(Act One)、テイクリスクス(Take Risks)を送り出したファミリー(牝系)に属する優秀な繁殖牝馬を手に入れられるかもしれません。このような処分セールはめったにないチャンスであり、イッサム・ファレス氏が数十年間で発展させた生産事業は高く評価されるでしょう」。
By James Thomas
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.1「ファレス牧場がサラブレッド事業から撤退(アメリカ)」
[Racing Post 2018年11月26日
「Issam Fares dispersal set for Breeding Stock and February sales」]