ニュージーランドでは女性騎手が大活躍(ニュージーランド)[その他]
1月末に英国において、"女性騎手は能力面で男性騎手と同等である"とする研究結果が発表された。しかしこれはニュージーランドでは当然のことだろう。
ニュージーランド競馬界は、女性騎手に騎乗機会を与えるという点において世界をリードして久しい。それは現在のリーディングランキングに示されている。
以下はニュージーランドサラブレッドレーシングが発表した記事である。
2017-18年シーズン(8月1日~7月31日)のリーディングランキングで首位に立っているのは、サマンサ・コレット(Samantha Collett)騎手(28歳)。上位6名のうち4名は女性騎手である。ニュージーランドにおいて騎手免許保有者の43%が女性である。
リヴァプール大学は、英国の過去14年間の120万回以上の騎乗を対象に、男性騎手と女性騎手のそれぞれの長所について研究した。それによると、(稀なことだが)もし同等の質の馬を与えられれば、女性騎手は男性騎手と同等の結果を出すことが分かった。
英国では見習騎手を含むプロの騎手の11%が女性であるが、全騎乗回数において、女性騎手は平地競走では6.5%、障害競走では2.9%にしか騎乗していない。またトップレベルのレースにおいては、男性と女性の騎手の騎乗機会にははっきりとした違いがある。女性騎手は平地競走のクラス6・クラス7で10%に騎乗しているが、クラス1では1.1%にしか騎乗していない。
その一方ニュージーランドでは、いとこ同士のサマンサ・コレットとアリーシャ・コレット(Alysha Collett 23歳)は今シーズン、多くの騎乗機会に恵まれている。2人は合計で8つのブラックタイプ競走を制している(訳注:ブラックタイプ競走は、その優勝馬または入着馬の馬名がセリ名簿の血統紹介欄に太字その他の字体で記載されるレース)。
サマンサ・コレットの母トルーディ・ソーントン(Trudy Thornton)騎手(54歳)は、クリスマスにエラズリー競馬場でザビールクラシック(G1)を制した。サム・スプラット(Sam Spratt)騎手(33歳)は今シーズン、ヘイサヘイロー(Hasahalo)でNZ1000ギニー、ストールンダンス(Stolen Dance)でソーンドンマイルを制して、着実にG1勝利を重ねている。また、ロージー・マイヤーズ(Rosie Myers)騎手(31歳)は1月下旬にスコットベース(Scott Base)に騎乗し、総賞金100万ドルのカラカミリオン3歳クラシック(エラズリー競馬場)を制した。
ニュージーランドでは1978年から女性が騎乗するようになり、その後リーディングタイトルを5回獲得している。リサ・クロップ騎手は2005年から3年連続でリーディングジョッキーに輝いた。また、ニュージーランドで女性騎手として初めて1,000勝を挙げたリサ・オールプレス騎手は、2012年と2016年にリーディングタイトルを獲得した。
リンダ・ジョーンズ(Linda Jones)騎手は1979年に豪州の公式レースで男性騎手と対戦して優勝した最初の女性騎手である。またもう1人のニュージーランド人女性騎手のマリー・リンドン(Maree Lyndon)は1987年に女性騎手として初めてメルボルンカップ(G1)で騎乗した。
キム・クラッパートン(Kim Clapperton)騎手は、1993年にはマレーシア/シンガポールのリーディングタイトルを獲得し、1995年には香港で初めて騎乗した女性騎手となった。
ニュージーランドサラブレッドレーシングのCEOバーナード・サウンドリー(Bernard Saundry)氏はこう語った。「競馬は男性と女性が対等に競える数少ないスポーツの1つです。そのことは、競馬産業にもう1つの様相をもたらしています。見習騎手になることに関心を示している女性も増えているようです」。
[bloodhorse.com 2018年2月1日「Female Jockeys Find Success in New Zealand」]