英ダービーに挑むテレキャスターは短いレース間隔を克服できるか?(イギリス)[その他]
テレキャスター(Telecaster)がトゥーダーンホット(Too Darn Hot)を撃退してダンテS(G2 5月16日)を制し、英ダービー(G1 6月1日)に追加登録された。
そのとき1つの疑問が浮上した。「テレキャスターは、どのようにしてダンテS(ヨーク競馬場)から英ダービー(エプソム競馬場)までの16日という短いレース間隔を克服できるだろうか?そもそも、これは十分な間隔と言えるだろうか?」
テレキャスターを管理するヒューイ・モリソン(Hughie Morrison)調教師は、英ダービーの最後のステップレースであるダンテSに向けて同馬を仕上げている段階で、「レース間隔の短さはダービー制覇を困難にしますが、全てのことが起こり得ます」と述べていた。ダンテS優勝後も同調教師の気持ちは変わらないだろう。テレキャスターはダンテSで傑出したパフォーマンスを見せたので、ダービー制覇はあり得るが、それは一体どれほど現実的なのだろうか?
近年の結果は、このレース間隔が厄介であることを示している。ダンテSとダービーの間隔が今年と同じ16日だったのは珍しいことではなく、過去7年のうち4年がそうだった。ダンテSの優勝馬ロアリングライオン(Roaring Lion)、パーミアン(Permian)、リバタリアン(Libertarian)、ボンファイア(Bonfire)は16日後の英ダービーに挑戦して破れている。ただし、ロアリングライオンとリバタリアンは健闘して3着以内に入った。
過去20年間のダービー優勝馬のうち5頭の前走がダンテSだった。最近では2015年にゴールデンホーンがダンテSを制してからダービーで優勝を果たした。ただし、この5頭のうち4頭については、ダンテSから英ダービーまでのレース間隔は1週間長かった。
さらに、過去20年間のダービー優勝馬の前走からのレース間隔は平均で27.4日であり、3週間以内で優勝したのは2頭しかいなかった。そのうちの1頭であるオーソライズド(Authorized)は2007年にテレキャスターと同じパターン、すなわちダンテSで優勝した16日後にダービーに挑み、見事に優勝を果たした。
大変興味深いことに、短いレース間隔を克服したもう1頭は、ニューアプローチ(New Approach)である。同馬は2008年、愛2000ギニー(G1 カラ競馬場)でヘンリーザナビゲーター(Henrythenavigator)の鼻差の2着となったわずか14日後に、英ダービーを制した。
テレキャスターの父はニューアプローチであり、母は同じくモリソン調教師に管理されたシロッコスター(Shirocco Star)である。シロッコスターもエプソムのクラシック競走に挑戦している。ニューベリ競馬場でのトライアルレースで2着となったわずか14日後に出走した英オークス(G1)でウォズ(Was)の2着になったのだ。
テレキャスターの両親は、前走から中1週でエプソムのクラシック競走で上々のパフォーマンスを見せた。このことから、両親の資質を受け継いでいれば、テレキャスターの血統は "短いレース間隔に対処できるかもしれない"と励ましてくれる。
By Matt Butler
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2019年5月18日「History says tricky, pedigree says maybe: can Telecaster defy the Derby gap?」]