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2019年05月30日  - No.20 - 2

英ダービーについて知っておくべきこと(イギリス)[その他]


 英国最高賞金を誇る英ダービー(G1)は、5つのクラシック競走(2000ギニー・1000ギニー・ダービー・オークス・セントレジャー)の中で最も名誉あるレースだ。毎年エプソムダウンズ競馬場において1 1/2マイル(約2400m)の距離で施行される。今年は6月1日(土)午後4時30分(現地時間)に発走し、ITVとレーシングTV(Racing TV)でライブ放映される。


英ダービーはなぜそれほど重要なのか?

 歴史豊かな英ダービーは1780年に初めて開催され、第1回優勝馬はダイオメド(Diomed バンベリー卿の所有馬)だった。

 英ダービーは英国の他のクラシック競走と同様に3歳馬しか出走できない。すなわち、他の権威あるレース、凱旋門賞(G1)やメルボルンカップ(G1)などとは違い、一生に一度しか出走できない。

 サラブレッドの独特のテストである英ダービーは、スピードと持久力、それに波状の地面と直線の急勾配を走りきるバランス能力の稀有な融合を要求する。

 優勝馬の種牡馬としての価値を踏まえれば、英ダービーを制覇することは、英国競馬界のみならずおそらく世界において最も名誉あることだろう。せん馬には出走権がない。すなわち、英ダービーで優勝することは、次世代のダービー有力馬を送り出す将来の種牡馬の道を切り開くことなのだ。

 英ダービー史上において多くの有名な事件が生じている。最も悲惨な事件は、1913年に起こった。女性の権利を訴えていた婦人参政権論者エミリー・デイヴィソン(Emily Davison)氏がコースの中に飛び出し、ジョージ5世の所有馬アンマー(Anmer)と接触して亡くなったのだ。


2019年英ダービー出走馬

 今年の英ダービーの出走馬は完全には確定していないが、登録馬リストには15頭が残っている。

 世界最高のトレーナーの1人エイダン・オブライエン調教師は8頭を登録している。それは、チェスターヴァーズ(G3)優勝馬サードラゴネット(Sir Dragonet)を筆頭に、ブルーム(Broome)、アンソニーヴァンダイク(Anthony Van Dyck)、ジャパン(Japan)、サーカスマキシマス(Circus Maximus)、ケープオブグッドホープ(Cape Of Good Hope)、ソブリン(Sovereign)である。

 英国調教馬で有力視されているのは、ダンテS(G2)優勝馬テレキャスター(Telecaster)とキングパワーレーシング社(King Power Racing)が所有するバンコク(Bangkok)である。

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過去の優勝馬

 一番有名な英ダービー優勝馬は、1981年のシャーガーかもしれない。同馬は2着馬を10馬身引き離して圧勝したが、これは英ダービーの着差レコードとなっている。1970年の優勝馬ニジンスキーも長い間、最も強い英ダービー優勝馬の1頭として挙げられている。それは同馬が1970年に三冠馬(英2000ギニー・英ダービー・英セントレジャーを制覇)となって以来、この快挙を再度成し遂げた馬はいないからである。

 他に有名な英ダービー優勝馬としては、ミルリーフ(1971年)、スリップアンカー(1985年)、ナシュワン(1989年)、ガリレオ(2001年)、シーザスターズ(2009年)などがいる。

 2018年英ダービーを制したのは、ゴドルフィンのマサー(Masar)である。同馬は、モハメド殿下の競馬事業にとって、これからも人々の記憶に残るであろう最初の英ダービー優勝馬となった。


英ダービーデーに施行される他のレース

 英ダービーデーでは多くの傑出したレースが施行される。エプソムダッシュHは1年で最もエキサイティングなレースの1つである。多数の出走馬がエプソムの坂に向かって猛ダッシュし、勝馬予想はとても難しい。

 また、ダイオメドS(G3)とプリンセスエリザベスS(G3)も英ダービーデーを盛り上げる。


様々なアトラクション

 英ダービーデーは、馬場内に大勢の観衆が集まることで、他の開催日よりも華やかなものとなる。このエリアへの入場は無料である。

 また、赤いダブルデッカーバス、らせん状の滑り台、観覧車は英ダービーデーを象徴するものだ。

 勝馬予想のためにヒントが必要であれば、アマートパブ(Amato pub)に行くべきである。そこには、19世紀半ばから毎年、外の井戸に勝馬予想が書かれている。あるいはおそらく、あなたは場内で売られている幸運の花束のほうを気に入るかもしれない。

By Kitty Trice and James Stevens

[Racing Post 2019年5月27日「The 2019 Investec Derby: everything you need to know for the Epsom Classic」]


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