2019年ロイヤルアスコット開催の前に知っておくべき基本情報(イギリス)[開催・運営]
5日間にわたる競馬の祭典ロイヤルアスコット開催(全30レース)では、世界各地から集まった数々の強豪馬が最高レベルで競い合う。初日の第1レース、クイーンアンS(G1 約1600m)は6月18日(火)14時30分に発走する。
この開催は175ヵ国で放映され、6億5,000万世帯で視聴できる。スカイレーシングがライブ放映し、ITVでも注目レースを視聴できる。
なぜロイヤルアスコット開催はそれほど重要なのか?
アン女王が1711年に開設したアスコット競馬場は豊かな歴史を誇る。ロイヤルアスコット開催は1911年に創設され、最も華やかな開催として毎年施行されている。
エリザベス女王は即位してから毎年ロイヤルアスコット開催に臨席しており、毎日王室の馬車で現れる。
この名声高い開催のために毎年30万人以上がバークシャー州を訪れ、一流の調教師・騎手・馬主が参加する数々の最高クラスのレースに酔いしれる。
今年は総額733万ポンド(約10億2,620万円)の賞金が提供され、総賞金が9万ポンド(約1,260万円)を下回るレースはない。
格式あるレース
ロイヤルアスコット開催で施行されるG1・8レースの中でも傑出しているのは、1807年に創設されたゴールドカップ(G1)だろう。エリザベス女王が優勝トロフィーを授与するが、女王自らも2013年に所有馬エスティメイト(Estimate)により英国王として初めてこのレースで優勝している。
競走距離2マイル4ハロン(約4000m)のゴールドカップは、ステイヤーにとって最も権威あるレースであり、6月20日(木)16時20分発走である。
他の主要レース
開幕日である火曜日には、G1・3レースが施行される。
14:30 クイーンアンS (G1 約1600m)
15:40 キングズスタンドS (G1 約1000m)
16:20 セントジェームズパレスS(G1 約1600m)
14戦14勝の無敗で引退したフランケルは、2011年にセントジェームズパレスS、2012年にクイーンアンSで優勝した。
第2日目の水曜日には、G1・1レースが施行される。
15:40 プリンスオブウェールズS(G1 約2000m)
[訳注:ロイヤルアスコット開催は通常、その日のメインレースの発走時刻を16:20としている。しかし今年は、日本の競馬ファンがディアドラの出走するプリンスオブウェールズSを真夜中前にテレビ観戦できるように、同レースの発走時刻を15:40(日本時間:23時40分)とする]。
昨年はサー・マイケル・スタウト調教師が管理したポエッツワード(Poet's Word)がこのレースを制している。
第3日目の木曜日は、ゴールドカップが施行される。
16:20 ゴールドカップ (G1 約4000m)
この日はG2・2レースも施行される。そのうちの1つであるリブルズデールS(G2 牝馬限定)を、昨年はマジックワンド(Magic Wand)が制した。
第4日目の金曜日にはG1・2レースが施行される。
15:40 コモンウェルスカップ (G1 約1200m)
16:20 コロネーションS (G1 約1600m)
コロネーションSは、1838年のヴィクトリア女王の戴冠(コロネーション)を記念して、1840年に創設された。
最終日の土曜日はダイヤモンドジュビリーSが目玉である。
16:20 ダイヤモンドジュビリーS (G1 約1200m)
昨年はマーチャントネイビー(Merchant Navy エイダン・オブライエン厩舎)がこのレースを制している。
ドレスコード
「ロイヤルエンクロージャー」では正装が義務付けられており、女性はひざ下丈のドレスあるいはスカートと帽子、男性はジレ、ネクタイ、シルクハットと地味な黒い靴を着用しなければならない。
「クイーンアンエンクロージャー」と「ウィンザーエンクロージャー」では、男性はスーツを着用し(靴下は必須)、女性はフォーマルな装いに帽子を着用しなければならない。
By Jonathan Harding
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2019年6月10日「Royal Ascot 2019: everything you need to know about the five-day extravaganza」]