同一ロイヤルアスコット開催で2勝のブルーポイントが引退(イギリス)[その他]
チャーリー・アップルビー調教師は、ブルーポイント(Blue Point 牡5歳)は頂点を極めたのでこれ以上証明するものがなく引退すると述べ、この優秀なスプリンターに敬意を表した。
ロイヤルアスコット開催(6月18日~22日)で2つの短距離G1競走を制して一躍スターとなったブルーポイントは、来年からモハメド殿下のダーラムホールスタッド(Dalham Hall Stud ニューマーケット)で供用される。ダイヤモンドジュビリーSがG1に昇格した2002年以降、この快挙を成し遂げたのは偉大な豪州短距離馬ショワジール(Choisir)だけである。
アップルビー調教師は6月24日、こう語った。「ブルーポイントがキングズスタンドS(G1)とダイヤモンドジュビリーS(G1)を制した素晴らしいロイヤルアスコット開催が閉幕した後、モハメド殿下と話し合いました。そして、この馬を引退させるのは今だという結論に至りました」。
「ブルーポイントは5日間で頂点を極め、これ以上何も証明することはありません。健康な状態でダーラムホールで種牡馬入りし、父シャマルダルと張り合うでしょう。現在5歳であり、アスコットで目標を達成したので、私たちは彼がこれ以上実力を証明する必要はないと考えています」。
ブルーポイントは6月18日(火)、昨年と同様にバターシュ(Battaash)を破って、キングズスタンドS連覇を果たした。その4日後のダイヤモンドジュビリーSでは、激しいレースが繰り広げられる中で力強い走りを見せ、猛追してくるドリームオブドリームズ(Dream Of Dreams)を勇敢に交わした。
このロイヤルアスコット開催での2勝は、ジェームズ・ドイル(James Doyle)騎手を背に達成された。一方、主戦のウィリアム・ビュイック騎手は頭に負った怪我のため現在療養中である。同馬の通算成績は20戦11勝(G1・4勝)、獲得賞金は263万1,333ポンド(約3億5,523万円)である。
ブルーポイントはとりわけアスコットと相性が良く、そこで5勝を挙げている。そのうち初勝利は、2017年パビリオンS(G3)において最優秀短距離馬ハリーエンジェル(Harry Angel)を退けて果たした勝利である。その次に出走したコモンウェルスカップ(G1)ではカラヴァッジオ(Caravaggio)とハリーエンジェルに次ぐ3着となったが、それがアスコットで喫した唯一の敗戦であり、その後再び目覚ましい活躍をする。
メイダン競馬場においても負けたのは1回だけである。今年のドバイワールドカップナイトでは、アルクオーツスプリント(G1)で米国の優良馬ベルヴォワールベイ(Belvoir Bay)とBCターフスプリント(G1)連覇のストーミーリベラル(Stormy Liberal)を相手に圧勝し、約95万ポンド(約1億2,825万円)の賞金を獲得した。
今年は5戦5勝の成績を挙げており、ブルーポイントは短距離の支配的な強豪馬として引退する。
アップルビー調教師はマサー(Masar)の次走についても語った。同馬は、昨年の英ダービー以来の出走となったハードウィックS(G2 6月22日)で、スタートで騎手が落馬しそうになるほど大きく躓いたが、優勝馬デフォー(Defoe)から5馬身差の5着となった。
同調教師はこう語った。「マサーは復帰戦となったハードウィックSの終盤でわずかに疲れたようですが、今朝はすっかり回復して元気でした」。
「すべてが順調で、次はニューマーケットのジュライ開催のプリンセスオブウェールズS(G2)に向かわせる予定です。彼はそこで二度ほど調教を受けているので、コースの起伏にうまく対応するでしょう」。
ビュイック騎手は昨年の英ダービーでマサーとコンビを組み、ディーエックスビー(Dee Ex Bee)、ロアリングライオン、サクソンウォリアーを破って優勝した。ハードウィックSはスタンドから観戦していたが、マサーの走りっぷりに満足していた。
同騎手はこう語った。「マサーはよく走りました。長い間レースから離れていたのに、レース慣れしているライバルによく立ち向かいました。ジェームズ(・ドイル騎手)はスタートでひどく躓いたのに、よく持ちこたえました。マサーが復帰したのは素晴らしいことです。チャーリーとそのチームには大きな目標ができたと思います。彼らもマサーにとても満足しているはずです」。
By David Milnes and Graham Dench
(1ポンド=約135円)
[Racing Post 2019年6月24日「Blue Point retired to stud after pulling off remarkable Royal Ascot double」]