デットーリ騎手、中世の粗暴な競馬パーリオを観戦(イタリア)[その他]
フランキー・デットーリ騎手、アンドレア・アッゼニ騎手、ジェイミー・スペンサー騎手は7月2日(火)夜、数千人もの大観衆の中で粗暴な競馬"パーリオ・ディ・シエーナ"を観戦した。
デットーリ騎手は7月6日(土)のエクリプスS(G1 サンダウン競馬場)で復帰するエネイブルとパートナーを組む予定である。ジョン・ゴスデン調教師は中世まで遡る伝統的イベントに同騎手が加わらなかったことを知って喜ぶことだろう。
1633年に創設されたパーリオ・ディ・シエーナは、シエーナの各地区を代表する10頭の馬が参加する。
レースは街の中心にある広場で、芝やポリトラックではなく、敷き詰められた砂の上で施行される。ルールなどないに等しいこのレースを見るために、世界中から観客がやって来ていた。
騎手は好きなように割り込んだり、他馬の走行を妨害できる。さらに、鞭(牛のペニスで作られている)で他の騎手を打つこともできる。パーリオの勝者は騎手ではなく馬とされており、騎手を振り落した馬が勝ったことも何回かある。
今回の大会はジラッファ地区が優勝した[訳注:優勝馬タレエクアレ(Tale e Quale)に騎乗したのはアッゼニ騎手のいとこのジョヴァンニ・アッゼニ(Giovanni Atzeni)氏]。
世界で一番混沌としたレースとしか表現しようのないパーリオにおいて、レース前から始まっていた喧騒は、夜が更けるにしたがってさらに激しくなった。
デットーリ騎手とその仲間は、英国で騎乗を再開するときには水を打ったような静寂を見いだすことだろう。アッゼニ騎手とスペンサー騎手は3日(水)夜にケンプトン競馬場で騎乗する。
(レース映像)https://www.youtube.com/watch?v=ZSRUnNR-dw4
By Jack Haynes
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