ジョッキークラブの次期CEOにディーリャ・ブシェル氏を任命(イギリス)[開催・運営]
ディーリャ・ブシェル(Delia Bushell)氏は、BTスポーツ[BT Sport 大手電気通信事業者のBTグループ(旧社名:ブリティッシュ・テレコム)が2013年に開設したTVチャンネル]がメジャースポーツチャンネルへと成長を遂げるのに重要な役割を果たした。同氏は、今秋退任するサイモン・バザルゲット(Simon Bazalgette)氏の後任として、英国ジョッキークラブのCEOに就任する予定。
スポーツ&メディア界の重要人物であるブシェル氏は3年間、BTスポーツの社長を務め、スポーツチャンネル・有料TV放送基盤・デジタルサービスを監督し、プレミアリーグなどの独占放映権を獲得した。
同氏は2017年、12億ポンド(約1,560億円)でUEFAチャンピオンズリーグの独占放映権の保持に成功した直後に、BTスポーツを退職した。
ブシェル氏はBTスポーツの社長に就任する前には、14年の間、メディア企業のスカイ(Sky)に勤務していた。そこで経験した役職には、スカイ・イタリアのCCO(最高コミュニケーション責任者)、スカイUKのブロードバンド・電話通信担当部長、スカイ・アイルランドの社長が含まれる。
同氏はイングランド&ウェールズ・クリケット協会(England and Wales Cricket Board)やコモンウェルスゲームズ・イングランド(Commonwealth Games England)の非常勤役員、テレグラフメディアグループ(The Telegraph Media Group)の諮問委員会メンバーも務めている。
ブシェル氏はこう語った。「ジョッキークラブのような象徴的な団体を統率できることにワクワクしており、光栄に思っています。競馬は英国人の生活の大切な一部であり、競馬界の将来の成功を推進するために、ジョッキークラブの才能溢れるチーム、そして競馬界の幅広い関係者と一緒に取り組むことを楽しみにしています」。
「私たちは(1)競馬ファンのための改革、(2)新たな幅広い観客へのアピール、(3)収入源の拡大、(4)投資の促進、を進めていくので、今後の数年間は競馬界にとってとても重要となります。競馬界に没頭し、様々な目標を達成するためにこれまでスポーツ&メディア界で積んできた幅広い経験を生かすことを楽しみにしています」。
ブシェル氏は9月上旬にジョッキークラブに加わり、引継ぎ期間を経て、バザルゲット氏が退任する10月にCEOに就任する。
ジョッキークラブのサンディ・ダッジョン(Sandy Dudgeon)理事長はこう語った。「ディーリャには、メディア、スポーツ、テクノロジー、ビジネスマネージメントの部門を統率してきた経験があります。彼女が新たなCEOとしてジョッキークラブに加わることを嬉しく思っています」。
「ジョッキークラブは才能溢れるチームを適所に配置しています。それゆえ、このグループのリーダーに最もふさわしい人物をCEOに任命する必要がありました。ディーリャの統率力の下、今後数ヵ月、数年にわたり、ジョッキークラブが競馬界に利益をもたらすべくますます強力な存在になることを確信しています」。
ジョッキークラブのメンバーであるスポーツキャスターのクレア・ボールディング(Clare Balding)氏はこのニュースを歓迎し、ツイッターでこう語った。「まさに大抜擢です。ディーリャは競馬界に、エネルギー、想像力、知性、そしてスポーツ放映権の世界で獲得した膨大な知識をもたらすでしょう。彼女は競馬界を将来に備えさせ、10年後、20年後にどの地位にあるべきかを考え、最も重要なことですがそこに辿り着くように導くでしょう」。
ダッジョン理事長はこの機会にバザルゲット氏のこの11年間の尽力に対して、次のように感謝の意を表した。「バザルゲット氏のリーダーシップは商業利益を大幅に増加させることに寄与しました。それにより、私たちは英国競馬界に記録的な資金をもたらすことができました。また、総工費4,500万ポンド(約58億5,000万円)のチェルトナム競馬場の改装をはじめとする施設改良に尽力しました」。
「同氏の洞察力は、競馬界があらゆる成果を達成するにあたり極めて重要でした。それには、メディア権の価値向上、ITVとの地上波放送の契約、賦課金制度改革、そして英国チャンピオンズデーの創設が含まれます」。
By Bill Barber
(1ポンド=約130円)
[Racing Post 2019年7月29日「Delia Bushell named as new group chief executive at the Jockey Club」]