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2019年11月14日  - No.44 - 1

エネイブル、2度目のヨーロッパ年度代表馬に輝く(欧州)[その他]


 エネイブルは、2度目のヨーロッパ年度代表馬に輝いた。これまで、伝説的なフランケルもこの快挙を成し遂げている。

 フランケルと同様にカリド・アブドゥラ殿下をオーナーブリーダーとするエネイブルは、最優秀古馬にも選ばれた。これにより、同馬はこれまで合計5つのカルティエ賞のタイトルを獲得したことになる。

 パット・スマレン(Pat Smullen)氏はその輝かしい騎手生活とがん研究のための精力的な募金活動が認められ、功労賞を受賞した。同氏の募金活動により250万ユーロ(約3億円)を上回る寄付が集まっている。

 エネイブルは、ウィジャボード(2004年・2006年)、フランケル(2011年・2012年)に続きヨーロッパ年度代表馬に2度輝いた3頭目の馬となる。同馬は来年6歳となっても現役生活を続け、リーディングトレーナーのジョン・ゴスデン調教師にとって期待の1頭となるだろう。

 2019年に素晴らしい活躍をしたゴスデン調教師は、第29回カルティエ賞授賞式(11月12日 ロンドンのドーチェスターホテルにて開催)においてその管理馬が多くの部門で受賞した。エネイブルのほかに、トゥーダーンホット(Too Darn Hot)が最優秀3歳牡馬、スターキャッチャー(Star Catcher)が最優秀3歳牝馬、そしてストラディヴァリウス(Stradivarius)が最優秀長距離馬に選ばれた。

 残る3部門のうち2部門の受賞馬を送り出したのはチャーリー・アップルビー調教師とゴドルフィンである。ロイヤルアスコット開催でキングズスタンドS(G1)とダイヤモンドジュビリーS(G1)を制したブルーポイント(Blue Point)が最優秀短距離馬、無敗馬ピナトゥボ(Pinatubo)が最優秀2歳牡馬に選ばれたのだ。また、ロジャー・チャールトン(Roger Charlton)調教師が管理しアブドゥラ殿下が所有すクワドリラテラル(Quadrilateral)が最優秀2歳牝馬に選ばれた。

 カルティエの競馬顧問であるハリー・ハーバート(Harry Herbert)氏はこう語った。「エネイブルが才能を発揮し勇敢に走る光景を見るのは、皆にとって喜びとなりました。彼女が競馬界でこれほど人気があるのは当然のことでしょう。2020年も現役を続けさせるというアブドゥラ殿下の決定には興奮しました。彼女は史上初のヨーロッパ年度代表馬に3度選出される馬となるかもしれません」。

 「受賞馬8頭のうち7頭は競馬界の根幹を築いたオーナーブリーダーたちが作り上げた馬です。アブドゥラ殿下、モハメド殿下、ビョルン・ニールセン(Bjorn Nielsen)、アンソニー・オッペンハイマー(Anthony Oppenheimer)氏、ロイド-ウェバー卿夫妻(Lord and Lady Lloyd-Webber)に心からお祝いを申し上げます」。

 同氏は、「功労賞を受賞したスマレン氏は感動をもたらしてくれました。優秀なジョッキーだっただけでなく、同じ病気に悩む人々を助けようとする献身的な態度により立派な人柄が伝わります」と付言した。

 カルティエ賞の受賞馬・受賞者は、パターン競走でのパフォーマンスにより馬が獲得したポイント、記者とハンデキャッパーで構成される委員会の見解、そしてレーシングポスト紙とデイリーテレグラフ紙の読者およびITVレーシングの視聴者の意見を総合して選出される。

2019年カルティエ賞受賞馬・受賞者

年度代表馬 - エネイブル

最優秀2歳牡馬 - ピナトゥボ

最優秀2歳牝馬 - クワドリラテラル

最優秀3歳牡馬 - トゥーダーンホット

最優秀3歳牝馬 - スターキャッチャー

最優秀短距離馬 - ブルーポイント

最優秀長距離馬 - ストラディヴァリウス

最優秀古馬 - エネイブル

功労賞-パット・スマレン氏

By Peter Scargill

(1ユーロ=約120円)

[Racing Post 2019年11月12日「Enable scoops second Cartier Horse of the Year award」]


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