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海外競馬ニュース
2019年11月14日  - No.44 - 2

ベッティングショップの完全無人化についての議論(イギリス)[開催・運営]


 TVCブックメーカーズ・トレードフェア(TVC Bookmakers' Trade Fair 10月17日にソリフルで開催)の満員の聴衆に向けて、ブックメーカーのハワード・チザム(Howard Chisholm)氏は「独立系ブックメーカーの間では、事業衰退の打開策として"無人ベッティングショップ"を設けるという考えがあります」と述べた。

 同氏は、「人員を配置する支店を閉鎖してATMだけを維持することで経営合理化をはかる銀行業界から着想を得ました」と語った。そして、ベットXS社(BetXS)がアイルランドの3店舗を100%自動化するという抜本的措置を取ったことについて言及した。

 チザム氏は、イングランド北東部を中心にベッティングショップ38店舗を経営し、非営利団体のブックメーカーズ・テクノロジー・コンソーシアム(Bookmakers Technology Consortium:BTC)の理事を務めている。BTCは独立系ブックメーカー700店にサービスを提供する。同氏はこう語った。「午後6時まで営業し、その後シャッターが下ろされるものの、午後10時までセルフサービスの端末機で賭けができるようなベッティングショップは実現可能でしょうか?ありえないように思われますが、すでに存在しているのです」。

 ベットXS社のベッティングショップでは、エントランス、照明、警備、監視カメラ、テレビなど、すべてが遠隔操作されている。それらの店舗には、賭けや払戻しを行えるセルフサービス賭事端末(SSBTs)と、問題に対応するための顧客サービス端末が設置されている。

 チザム氏はこう続けた。「顔認証ソフトウェアは日々進化しています。これを登録システムに活用すれば、未成年者による賭事を防ぐことができます。一方、SSBTsには賭事を行っている者を識別するために将来カメラが設置されるかもしれません」。

 「ベッティングショップの完全無人化は実現可能であり、賭事客は静かな環境でSSBTsを使うことができるでしょう。スタッフは1日に1~2回来るだけで十分です。経営のマインドを変えなければなりませんが、不可能ではありません」。

 一方チザム氏は、BTCが新たに提供する賭事商品"ヴァーチャル・グランドナショナル・ゲーム(Virtual Grand National game)"について勇気づけられるニュースを伝えた。賭事客は午前10時から午後9時の間、いつでもこのゲームで賭事が行える。

 「"ヴァーチャル・グランドナショナル・ゲーム"は2種類の賭事客を引き付けます。それはナンバーゲームを好むビンゴファン、そして競馬ファンです。運営し始めたばかりですが、他のレースのヴァーチャルゲームよりも、このゲームの売上げは50%上回っているようです。そして今後運営を予定しているいくつかのヴァーチャルレースも利益をもたらすように思われます」と同氏は語った。

By Howard Wright

[Racing Post 2019年10月22日「Prospect of staff-less betting shops discussed at bookmakers' trade fair」]


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