アスコット競馬場の馬場整備員、馬群との衝突を危機一髪で回避(イギリス)[開催・運営]
BHA(英国競馬統轄機構)の懲罰委員会は12月3日、"ソデクソゴールドカップ(障害G3)事件"が生じたアスコット競馬場に対して3,500ポンド(約49万円)の過怠金を科した。同競馬場はこれをうけ、馬場整備員の作業手順を修正した。
11月2日、アスコット競馬場でソデクソゴールドカップが施行されている最中に、馬場整備員の1人がピッチフォークを使って馬場整備を行い、馬群と危うく衝突しそうになった。
同競馬場の馬場取締委員であるクリス・スティッケルズ(Chris Stickels)氏はこう語った。「この事件をうけて、作業手順を修正しました。馬場整備員は今では、レース終了後に馬場監督が"危険はなくなった"という合図を出すのを待ってからコースに入らなければなりません。レースの最中にコースに入る必要性があるときには、より注意深い監視の下で作業が行われるでしょう」。
懲罰委員会の事情聴取によれば、その日はそれまでに5レースが施行されていたためにアスコットの馬場は傷んでおり、馬場整備員チームはレースの最中に整備することを決定していた。
馬群が迫ってきたときに互いに警告するために、馬場整備員は各自無線機を携帯していた。それにもかかわらず、馬場整備員の1人が16頭の馬群と接触しそうになり、騎手たちの叫び声を聞いたときにやっと状況を把握して衝突を回避した。
懲罰委員会は、レースに適した馬場であるかを競馬場が事前に確認していなかったことで、馬場整備員と出走馬の安全がリスクに晒されたと考えている。また、整備用のピッチフォークがコースに落とされていたとしたらどのようなことが生じていたかについて大きな懸念を表明した。
By Richard Birch
[Racing Post 2019年12月4日「Ascot to bring in changes after being fined in wake of groundstaff incident」]