HHエミールズトロフィーでフランス調教馬がワンツーフィニッシュ(カタール)[その他]
アルライヤン競馬場(カタール・ドーハ)で開催された総賞金100万ドル(約1億1,000万円)のHHエミールズトロフィーにおいて、フランスからの参戦馬がワンツーフィニッシュを決めた。米国の期待を背負ったリアムザチャーマー(Liam the Charmer)は最後の直線で伸びを欠き、失速した。
HHエミールズトロフィー(芝2400m)は、カタール競馬シーズンの最大の祭典『エミールズスウォードフェスティバル(2月21日~23日 サラブレッド・純血アラブ対象)』のクライマックスを飾る。もう1つのハイライトであるエミールズスウォード(純血アラブ限定)の総賞金も100万ドルである。
今年のHHエミールズトロフィーでは、オリヴィエ・ペリエ騎手がフレンチキング(French King 父フレンチフィフティーン)を先頭に立たせ、ペースをうまく配分して、1着でゴールした。勝ち時計は2分26秒12。アブドゥラ殿下(Sheikh Abdullah Bin Khalifa Al Thani)が所有する同馬(英国産4歳牡馬)はアンリ-アレックス・パンタール(Henri-Alex Pantall)調教師により管理されている。
同じくフランス調教馬の6歳のロイヤルジュリウス(Royal Julius 父ロイヤルアプローズ)が2着となり、その後には、BCターフ(芝G1)8着・WLマクナイトS(芝G3 ガルフストリームパーク競馬場)3着のクールモアのハンティングホーン(Hunting Horn)が続いた。そして2016年と2018年にこのレースを制しているザブルーアイ(The Blue Eye)が4着となった。
フレンチキングは昨年10月27日以来初めての出走だったが、ペリエ騎手はこう語った。「彼は大変頑張りました。勢いよくスタートし、先頭で気分よく走りました。幸せな馬が人々を幸せにします」。
一方、リアムザチャーマーの関係者は、この結果にあまり満足していなかった。
マイケル・マッカーシー(Michael McCarthy)調教師は、リアムザチャーマーはバックストレッチを走っている時には順調だったと述べ、タイラー・ガファリオン(Tyler Gaffalione)騎手に「1400mあたりのレースぶりには感心していた」と伝えた。
ガファリオン騎手はこう語った。「ホームストレッチに入るまでは先頭馬群の後を走っていたハンティングホーンの後ろを走り、すべてが順調に思えましたが、その後失速しました。馬体に異常はありませんでしたが、距離が持ちませんでした」。
マッカーシー調教師は「残念な結果ですが、良い経験でした。私たちはまた戻ってくるでしょう」と付言した。
カタールは国際セリ名簿基準書のパートⅡ国に認定されており、HHエミールズトロフィーはパートⅡ国のG1競走である。優勝馬はセリ名簿においてブラックタイプ(太字)で記載されるが、重賞格付は国内でしか通用しない。
2018年には米国からマネーマルティプライアー(Money Multiplier)がこのレースに参戦し、3着となっている。
このフェスティバルは国際色豊かで、日本調教馬としてユウチェンジが初めて出走した。また、カタールで初めて騎乗したNARの阿部龍騎手(23歳)はエキストラ騎乗で1勝を果たした[訳注:この勝利はアルライヤンブリーダーズカップ(芝2000m カタール産馬限定戦)においてアサーフ(Asaaf)という馬で挙げた]。ハンティングホーンに騎乗したライアン・ムーア騎手やガファリオン騎手もこのドーハのフェスティバルに初めて参加した。
アルビダマイル(芝1600m)では、3歳牡馬のグローバルスペクトラム(Global Spectrum 父ダッチアート)が優勝した。英国で同馬を管理するガイ・ケルウェイ(Gay Kelleway)調教師は、今後は仏2000ギニー(G1)を目指すと語った。同馬の馬主でロンドンと香港で暮らすジョニー・ホン(Johnny Hon)博士は、グローバルスペクトラムはこのまま成長すれば世界を股にかけるようになるだろうと述べた。
ブリーダーズカップ協会がスポンサーを務める総賞金25万ドル(約2,750万円)のドゥハーンスプリント(芝1200m)では、カタールを拠点とするフランス産馬アニマロック(Anima Rock)が優勝した。
By Bob Kieckhefer
(1ドル=約110円)
[bloodhorse.com 2019年2月23日「French Finish 1-2 in Emir's Trophy in Doha」]