メルボルンレーシングクラブ、森林火災被害へ義援金を寄付(オーストラリア)[開催・運営]
メルボルンレーシングクラブ(Melbourne Racing Club:MRC)は、森林火災の被災地域を支援するために、オーストラリアデー(1月26日 建国記念日)の前に行われる2日間の競馬開催の入場料収入を寄付する。
MRCのピーター・ルグランド(Peter Le Grand)会長は、モーニントン競馬場とコーフィールド競馬場での開催(1月24日&25日)の入場料収入を、森林火災の被害への義援金を募るベンディゴ銀行共同募金(Bendigo Bank Community Fund)に寄付することを発表した。
これらの開催日において、消防士やその家族の入場は無料となる。
ルグランド会長は、MRCは1月中にMRCの基金に集まった寄付金もベンディゴ銀行共同募金に提供することを決定したと述べ、こう語った。
「私たちは皆、現在起こっていることに衝撃を受けており、被災された方々に思いを寄せています。MRCは直ちに、共同募金に義援金を提供しています。さらに、1月中にMRCの基金に寄せられた義援金も全額寄付したいと考えています」。
MRCの前に、レーシングヴィクトリア(Racing Victoria)のブライアン・クルーガー(Brian Kruger)会長も1月3日に同様の約束を行っている。
豪州のスコット・モリソン首相は、森林火災に対応するために3,000人の予備兵を動員することを発表している。
1月4日、豪州南東部では部分的に気温が40度を超えた。9月以降、森林火災は少なくとも23人の命を奪った。行方不明者12人、焼失した家屋は1,500戸。
騎手による寄付の呼び掛け
ジェイミー・カー(Jamie Kah)騎手(24歳)は競馬ファンたちに、森林火災の救助活動を支援するために寄付を行うよう呼びかけた。
同騎手は、コーフィールド開催(1月4日)での騎乗手当の倍額と獲得賞金を全額寄付することを約束した。
南オーストラリア州出身のカー騎手はその日、ゾーシャック(Zoushack)、リッコペイント(Licko'paint)、オーシャンズフォーティーン(Ocean's Fourteen)に騎乗してすべて4着となり、3,200豪ドル(約24万円)近くを寄付する。
同騎手は、森林火災の影響を受ける野生動物を保護する団体「WIRES」(Wildlife Information, Rescue and Education Service)に寄付すると述べた。
そして、「誰もが今起こっている悲劇を分かっているはずです。多種多様な団体が助けを必要としています。現在、豪州全体が炎に包まれています。どんなに少額でも大切にしなければなりません。できる範囲で募金してください」と語った。
クリス・サイモンズ(Chris Symons)騎手は、ミセスベッカム(Mrs Beckham)でマーガレットホーガンH(コーフィールド)を制した直後に、消防士たちに敬意を表した。
同騎手はこう語った。「現在大変な悲劇が起こっています。今日消火活動に当たっている全ての人々に大きな声援を送りたいと思います。私たちは、恐ろしい状況にあることを把握しています。とても多くの寛容な人々が義援金や救援物資を提供しており、私はオーストラリア人であることが誇らしく思います。この火災は人命だけでなく、5億もの野生動物の命を奪っています。動物に関わる産業で働く者として大変動揺しています」。
カンガルーアイランドレーシングクラブが家畜避難のために門戸開放
カンガルーアイランドレーシングクラブ(Kangaroo Island Racing Club:KIRC)は、火災に脅かされる区域の動物を保護するために門戸を開いている。
カンガルー島では500人以上の消防士が火災と格闘している。同島では、パーンダナ郊外の高速道路を走っていた車に取り残された2人の命が奪われた。
KIRCの事務局長であるグレッグ・ミラー(Greg Miller)氏は、競馬場と厩舎エリアは火災の被害がなく、家畜を避難させたい人々が利用できると述べた。
カンガルー島は毎年1月と2月に競馬を開催している。1日目は1月25日であり、その後2月20日と22日にカップカーニバルが開催される。
KIRCは伝統的にその競馬開催で地元の慈善活動のために資金を募っており、今年の開催では森林火災への募金活動が予定されている。
By Racing.com
(1豪ドル=約75円)