サウジカップ優勝のサーヴィス調教師、組織的ドーピングに関与か(アメリカ)[その他]
マキシマムセキュリティ(Maximum Security)をサウジカップ(2月29日)優勝に導いたジェイソン・サーヴィス(Jason Servis)調教師は、組織的ドーピングに関与した疑いのある27人(米国競馬に関わる調教師・獣医師・薬物販売業者・その他)のうちの1人である。
3月9日に連邦地方裁判所で公表された起訴状には、2019年にマキシマムセキュリティに対して、デザイナードラッグである競走能力向上薬が投与されたと明記されている。同馬はその年、米国最優秀3歳牡馬に選出されている。
全44ページの起訴状には調教師19人の名が記されており、ホルヘ・ナヴァロ(Jorge Navarro)調教師もその1人である。同調教師が2008年以降に出走させた管理馬は、3,700万ドル(約38億8,500万円)以上もの賞金を獲得している。また他にも3つの起訴状が出されており、同じ容疑で8人の名が記されている。
ナヴァロ氏とサーヴィス氏を含む19名に対する起訴状には、これらの嫌疑は大規模な腐敗構造から生じたと記されている。この構造には、調教師、獣医師、競走能力向上薬(performance-enhancing drug:PED)販売業者、またPEDを変造したり偽ラベルを貼ったり受け取ったりした者、そしてこの構造に属する者のコントロール下でPEDを競走馬に極秘に投与した者が関わっていた。
サウジカップをマキシマムセキュリティで制したサーヴィス調教師は、変造され偽ラベルが貼付されたPED("SGF-1000"を含む)を極秘に手に入れ、実質的に管理馬全頭に投与していた嫌疑を掛けられている。
起訴状によれば、サーヴィス調教師は2018年2月から1,082レースに管理馬を出走させ、その共謀者は連邦・州の政府機関、競馬関係者、賭事客に気づかれないように、これらの馬へのPEDの投与を隠ぺいしてきた。
また、PEDはサーヴィス調教師の管理馬のいるそれぞれの厩舎に極秘に届けられていた。その際、SGF-1000の投与を隠ぺいするために薬物の請求書は偽造され、偽の処方箋が出されていた。
さらに起訴状によれば、2019年ゴールデンシャヒーン(G1)をエックスワイジェット(X Y Jet)で制するなどの成功を収めてきたナバーロ調教師は、変造され偽ラベルが貼付された様々なPEDを極秘に入手して管理馬に投与するために、大規模な構造を仕組んだ嫌疑が掛けられている。
SGF-1000は特注のPEDである。SGF-1000には、組織修復を促して馬のスタミナや持久力を本来の能力以上に高めるために、繊維芽細胞や肝細胞などの増殖因子が含まれている。
By Frank Angst/Bloodhorse
(1ドル=約105円)
[Racing Post 2020年3月9日
「Saudi Cup winner Jason Servis among 27 facing doping-related charges in US」]