バーニーロイがジェベルハッタを制して完全復活(ドバイ)[その他]
バーニーロイ(Barney Roy せん6歳)は、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から無観客で実施されたスーパーサタデー(3月7日 メイダン競馬場)で、ジェベルハッタ(G1 芝1800m)を制して注目を独占した。
3週間後に迫るドバイワールドカップデー(3月28日)の予行演習スーパーサタデーにおいて、ゴドルフィンは所有馬がジェベルハッタの1着~4着を独占したことで、その底力を見せつけた。
バーニーロイは一度種牡馬入りしたものの供用生活を断念し、昨年復帰していた。自信溢れるウィリアム・ビュイック騎手を背にゆったりとしたスタートを切った同馬は、直線を大きな完歩で進み、ジェームズ・ドイル騎手が騎乗するスポティファイ(Spotify)を抜き去った。スポティファイは残り1ハロンで2着の座をマジックリリー(Magic Lily)に奪われ3着となった。
これら3頭はチャーリー・アップルビー調教師の管理馬であり、4着には昨年のこのレースの覇者ドリームキャッスル(Dream Castle サイード・ビン・スルール厩舎)が入った。
バーニーロイにとってこの勝利はG1・2勝目であり、アップルビー調教師に手掛けられてからは初めてのG1優勝となった。同馬はリチャード・ハノン厩舎に所属した2017年にセントジェームズパレスS(G1 ロイヤルアスコット開催)を制している。
ビュイック騎手はこう語った。「バーニーロイが勝ててとても嬉しいです。難しい12番ゲートからの発走で、これ以外の乗り方はできませんでした。出走頭数が多くて勝てるチャンスは限られており、他馬をすべて抜き去るしかないと思っていました」。
「彼は道中力強く走っていました。最後の直線で外側に持ち出したところ、一気に他馬を抜かしました。完歩が大きいこともあり、すごいスピードが出ました。彼はその完歩を存分に活かせるメイダンのような平坦なコースが得意なようです。今回の勝利は、バーニーロイが調教に戻ってきてからずっとチームとともに素晴らしい仕事をしてきた証です」。
スーパーサタデーの目玉とされているアルマクトゥームチャレンジラウンド3(G1 ダート2000m)では、マッターホルン(Matterhorn 牡5歳)が優勝を果たした。同馬は同じ距離のドバイワールドカップ(G1)での勝利を狙っている。
以前はマーク・ジョンストン調教師に手掛けられていたマッターホルン(サレム・ビン・ガデイヤー厩舎)は、ミカエル・バルザローナ騎手を背に道中どの馬にも抜かされることなく5½馬身差の圧勝を収めた。
ビン・ガデイヤー調教師はこう語った。「調教での様子を見て、ミカエルに"この馬はドバイワールドカップで良い勝負をするだろう"と言いました。根っからのダート馬です。馬もジョッキーも最高のパフォーマンスを見せました」。
ドバイワールドカップデーのドバイシーマクラシック(G1)と同じ2410mのドバイシティオブゴールド(G2)でも、アップルビー調教師とゴドルフィンが勝利を手にした。優勝馬ロックスリー(Loxley せん5歳)に騎乗したのはバルザローナ騎手だった。
単勝17倍でこのレースに臨んだロックスリーは、序盤で入れ込んでいたが、徐々に上がっていき、1番人気馬デフォー(Defoe)の挑戦を封じ込め続け、最後の1ハロンで先頭に立った。
アップルビー調教師はこう語った。「ロックスリーは常に期待してきた馬ですが、カーニバルで2回出走したものの良い結果を残せずがっかりしていました。そのため、このような素晴らしいパフォーマンスで勝つのを目にして喜んでいます」。
昨年英国のリーディングジョッキーに輝いたオイシン・マーフィー騎手はスーパーサタデーの第1レースであるアルバスタキヤ(L ダート1900m)をエンブレムストーム(Emblem Storm 牡3歳)で制した。
エンブレムストームを管理するサティッシュ・シーマー(Satish Seemar)調教師は、今シーズンのUAEリーディングトレーナーとなることがほぼ確実視されている。同調教師は第2レースのマハブアルシマール(G3 ダート1200m)もタド・オシェー(Tadhg O'Shea)騎手が騎乗したワフィ(Wafy せん5歳)で制した。
By Jason Ford
[Racing Post 2020年3月7日
「Barney Roy leads home a Godolphin benefit in Dubai World Cup rehearsal」]