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2020年06月04日  - No.22 - 1

ゴドルフィンのヴィクタールドラムが仏2000ギニーを快勝(フランス)[その他]


 昨年の最優秀2歳牡馬ピナトゥボ(Pinatubo 父シャマルダル)はまだ運命を決するクラシック競走の日を迎えていない。それでもゴドルフィンにはすでに、驚異的な才能に恵まれた牡馬がいる。ヴィクタールドラム(Victor Ludorum父シャマルダル)が仏2000ギニー(G1 芝1600mドーヴィル)で確固たる強さを見せつけ、ライバルを一掃したのだ。

 ヴィクタールドラムは3週間前、3歳初戦のフォンテーヌブロー賞(G3 芝1600mロンシャン)に挑んだが、3着に敗れた。しかし仏2000ギニーではうって変わり、持ったままで自ら勝負に挑み、フォンテーヌブロー賞の覇者ザサミット(The Summit)を1½馬身退け快勝した。

 その覚醒ぶりは、アンドレ・ファーブル調教師の手腕を示すものである。同調教師はこれで仏2000ギニー8勝目を果たした。

 ドーヴィルの高速になりやすい直線マイルコースで、フォンテーヌブロー賞のときの不良馬場とは程遠い良好な馬場状態で、がっしりした体躯のヴィクタールドラムは他馬を抑えて勝利した。鞍上のミカエル・バルザローナ騎手はゴール板を駆け抜けた時に喜びの叫び声を上げ、レース後のコメントでも同様にその歓喜を伝えた。

 「彼は力強い馬であり、今日は復活とも言えるパフォーマンスで本来の実力を発揮しました。2歳の頃と同じ乗り方ができました。途中でやる気を失わせることなく、ただ彼の好きなように走らせました。レース前の返し馬でやや気難しくなることがありますが、レース中はとても素直です。道中は安定したペースで進み、ただレースに集中していました。そのまま徐々にペースを上げていってくれたので、必死になる必要はありませんでした」。

 そしてヴィクタールドラムの溢れんばかりの才能を「大差をつけて勝ったわけではありませんが、他馬よりも優位に立っていました。落ち着いて走っていたのですが、ここぞと言うときに加速しました。どのようにアクセルを踏むのかを心得ています」と言い表した。

 ファーブル調教師は、ヴィクタールドラムが仏ダービー(G1 ジョッケークリュブ賞 芝2100m シャンティイ)を目指すべき馬であることを公言していた。コーラル社は同馬を仏ダービーの本命とし、その単勝オッズを5倍としている。それは同じくファーブル厩舎のオセアンアトランティック(Ocean Atlantique 父アメリカンファラオ 単勝6倍)やパオアルト(Pao Alto 単勝7倍)のオッズを下回る。

 ボイルスポーツ社(BoyleSports)は今回の勝利を高く評価し、同馬が父シャマルダルと同じく仏クラシック2勝を果たすことに3倍のオッズを付け、凱旋門賞(G1)でのオッズを34倍から15倍に大きく下げている。

 ヴィクタールドラムが見せた加速力がファーブル調教師とモハメド殿下に再考を促すかどうかは見守るしかない。ピナトゥボは英仏海峡の向う側で実力を発揮するのを待っている[6月6日の英2000ギニー(G1)に出走予定]。一方同じファーブル厩舎のアースライト(Earthlight)は、今年はジャンプラ賞(G1 芝1400m)から始動する予定。

 ゴドルフィンのリサ-ジェーン・グラファール(Lisa-Jane Graffard)氏は、「このレースの前までは、仏ダービーに挑むことを予定していました。とは言え、今日はマイルで抜群の能力を発揮しました。焦って決める必要はなく、レース後の彼の状態を見たいと思います。ファーブル調教師はその後、モハメド殿下と話し合うでしょう」と語った。

By Scott Burton

[Racing Post 2020年6月1日「Godolphin's Victor Ludorum stamps authority with French 2,000 Guineas success」]


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