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2020年06月18日  - No.24 - 2

アスムッセン調教師、チャーチルダウンズの歴代最多勝トレーナーに(アメリカ)[その他]


 殿堂入りトレーナーのスティーヴ・アスムッセン調教師(54歳)は、チャーチルダウンズ競馬場の歴代最多勝トレーナーとなった。6月12日の第1レースでドロップデッドゴージャス(Drop Dead Gorgeous)が決めた 8½馬身差の勝利が同調教師にとってこの競馬場での738勝目となり、デール・ローマンズ(Dale Romans)調教師が保持していた記録を更新したのだ。

 アスムッセン調教師は、「米国競馬を知る者はすべて、チャーチルダウンズ競馬場が米国競馬においてどれほど大きな意味を持つかを分かっています。これは大変な名誉です。以前この名誉を獲得した人々や、ずっと記録を保持していた人々を知っています。私たちにとって、ここで多く勝利を挙げることはとても誇らしい偉業です」と語った。

 同調教師は6月11日、ローマンズ調教師と首位タイとなった。ローマンズ調教師は2017年11月12日、最多勝トレーナーに31年間君臨した殿堂入りトレーナーのビル・モット調教師の記録を更新し、最多勝トレーナーの座を手に入れていた。

 アスムッセン調教師は6月12日、第2レースもフレン(Hulen 牡2歳)で制し、739勝目もマークした。

 1965年11月18日にサウスダゴタ州ゲティスバーグで生まれたアスムッセン調教師は、競馬に関わる運命にあった。母マリリン氏は調教師で、父キース氏は騎手および調教師だった。両親は50年以上、テキサス州ラレドでアスムッセンホースセンター(Asmussen Horse Center)とエルプリメロ調教センター(El Primero Training Center)を経営している。

 アスムッセン調教師の兄キャッシュ・アスムッセン氏は、1979年に米国最優秀見習騎手となり、その後フランスでリーディングジョッキーとなった。2001年に引退するまでに3,000勝以上を果たした。

 アスムッセン調教師は若い頃から馬房の清掃をしたり、馬に曳き運動をさせたりして両親の仕事を手伝っていた。そして、兄の足跡を辿るべく騎手となり、1982年4月4日に初勝利を果たした。その後、ニューメキシコ州、カリフォルニア州、ニューヨーク州で騎乗し通算63勝を挙げ賞金68万7,224ドル(約7,559万円)を獲得したが、背が伸びすぎたために引退を余儀なくされた。現在同調教師の身長は6フィート(約183 cm)以上であり、その体重は騎手時代の負担重量のほぼ倍である。

 アスムッセン調教師は1986年、20歳のときにルイドソダウンズ競馬場(ニューメキシコ州)で調教活動を始め、同年7月19日に初勝利を挙げた。

 チャーチルダウンズ競馬場の広報によれば、同調教師は1993年5月16日にチャーチルダウンズ競馬場での初勝利を挙げた。初めて同競馬場に出走させた管理馬スネークアイズ(Snake Eyes せん3歳)がアローワンス競走を制したのだ。そして、1996年4月27日にヴァリッドエクスペクテーションズ(Valid Expectations)でダービートライアルS(G3)を制して、同競馬場でのステークス競走初勝利を果たした。

 2016年に殿堂入りを果たしたアスムッセン調教師は、広大な厩舎を運営し、多くの助手を雇用している。そのうちの1人スコット・ブラジ(Scott Blasi)氏は1996年にアスムッセン厩舎で働き始め、チャーチルダウンズ競馬場の管理馬群を担当している。

 1997年秋から毎年チャーチルダウンズ競馬場に馬を入厩させている同調教師は、2001年を皮切りに、開催リーディングのタイトルを22回獲得している。

 アスムッセン調教師は、2008年と2009年に米国リーディングトレーナー(獲得賞金)となり、エクリプス賞(最優秀調教師)にも選出された。また、これまでに以下の管理馬が米国年度代表馬に選出されている。

・2007年&2008年 カーリン
・2009年 レイチェルアルクサンドラ
・2017年 ガンランナー

 現在手掛ける中で最も優秀な管理馬は、2019年最優秀ダート牝馬のミッドナイトビズー(Midnight Bisou)である。

 アスムッセン調教師は、米国最多勝トレーナーのタイトルを9回獲得している(2002年、2004年、2005年、2007年~2011年、2013年)。2009年には年間最多勝記録である650勝を挙げた。

 同調教師が優勝したビッグレースには以下が含まれる。

・ プリークネスS(G1)...カーリン(2007年)、レイチェルアレクサンドラ(2009年)
・ ベルモントS(G1)...クリエイター(2016年)
・ BCクラシック(G1)...カーリン(2007年)、ガンランナー(2017年)
・ ドバイワールドカップ(G1)...カーリン(2008年)

 アスムッセン調教師は、ケンタッキーダービー(G1)初制覇を目指している。同競走にこれまで20頭を出走させ、2011年と2017年にネロ(Nehro)とルッキンアットリー(Lookin At Lee)がそれぞれ2着となっているが、まだ勝利を手にしていない。一方、ケンタッキーオークス(G1)は2005年にサマリー(Summerly)、2014年にアンタパブル(Untapable)で優勝している。同調教師はチャーチルダウンズでステークス競走を通算79勝しており、ビル・モット調教師の95勝に次いで2位となっている。

 アスムッセン調教師はもう1つの重大な金字塔を立てようとしている。6月12日時点で同調教師の生涯勝利数は8,867勝で北米歴代2位である。1位のデール・ベアド(Dale Baird)調教師の9,445勝に到達するまでにはあと578勝だ。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2020年6月12日「Asmussen Becomes All-Time Leading Trainer at Churchill」]

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