英国のEU離脱後に国境を越える馬のためのデジタルパスポート(欧州)[その他]
国際馬スポーツ連盟(International Horse Sports Confederation:IHSC)の英国のEU離脱(ブレグジット)とEU動物衛生法について取り組むタスクフォースは、2021年から馬術競技・競馬・生産に供する馬の国境を越える移動を確かにするために、デジタルパスポートという解決策を生み出した。
このパスポートは、ブレグジットへの移行期間が12月31日に終了した後、英国・欧州間の馬の自由移動を可能にし、2021年初めに発効する新たなEU動物衛生法の要件を満たすだろう。
デジタルパスポートは、EU当局に馬の個体情報・移動・所有権の詳細についての情報を提供する。また、最新の予防接種・診療の記録も含まれる。デジタルパスポートは2021年から利用と運用が可能になり、EU加盟国により承認されれば従来の紙のパスポートの代替手段として利用されるかもしれない。
IHSCのタスクフォースは、国際馬術連盟(FEI)、欧州馬術連盟(EEF)、国際競馬統括機関連盟(IFHA)、そして国際サラブレッド生産者連盟(ITBF)、欧州サラブレッド生産者協会連盟(EFTBA)の共同作業の賜物である。
FEIの獣医学担当理事であり、IHSCのタスクフォースの議長であるゴラン・オーケルストロム(Goran Akerstrom)博士はこう語った。「デジタルパスポートに向けた動きは、かつてない欧州の馬産業の連帯を示します。英国のEU離脱・新たなEU動物衛生法を施行する上での困難・世界的な感染拡大による問題が、500億ユーロ(約6兆2,500億円)超の歳入を生み出し50万人以上の雇用を提供する欧州の地域産業に悪影響を及ぼそうとしています」。
「馬やそれに従事する人々の国境を越える移動への障害は、英国・アイルランド・フランス、そしてドイツ・スペイン・オランダ・イタリアのようなEU加盟国に莫大な経済損失をもたらすでしょう」。
「馬の国境を越える移動を効率が良くて安全なものとするために、制度とプロセスを導入することは必要不可欠であり、デジタルパスポートは重要な役割を果たすでしょう」。
By Kitty Trice
(1ユーロ=約125円)