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海外競馬ニュース
2020年01月30日  - No.4 - 4

新型コロナウイルスに対する警戒により、春節開催は入場者数を大幅制限(香港)[開催・運営]


 香港の春節を祝う競馬開催(1月27日 シャティン競馬場)は、死に至るケースもある新型コロナウイルスへの警戒態勢のため、入場者数が大幅に制限される。

 香港ジョッキークラブ(HKJC)は、春節開催を決行することにゴーサインを出した。ただし、同開催は厳格な手順の下で運営されることになる。中国でこれまで26人の死者を出し(1月30日現在で170人)、世界中に広がるこのウイルスの感染拡大を防ぐための対策が取られる。

 中国で発生した呼吸器疾患を引き起こすこのウイルスの感染例は、香港でこれまで4件確認されている(1月30日現在で10件)。HKJCは、例年入場者数が10万人に達する春節開催の中止は競馬ファンと競馬関係者にとって不本意であり、HKJCのスタッフにも経済的悪影響を及ぼすと考えている。

 そのような状況で、HKJCは場内レストランを事前予約した8,000人だけを入場させ、当日勤務のスタッフを1万1,000人から3,000人に減らした。さらに、馬場の一部を閉鎖し、入場者全員に対して到着時の体温チェックを義務づけ、マスクを着用するように勧めた。

 HKJCは声明でこう述べている。「HKJCは春節開催のために、開催の手順を慎重に見直しました。私たちはとりわけ、この競馬開催日が春節の連休中、香港社会においてとても重要であると認識しています」。

 「それゆえ開催中止となれば、競馬場で観戦する予定だった人々だけでなく、自宅などでテレビ観戦をするつもりだった人々の楽しみも奪ってしまうでしょう。また、HKJCのスタッフや、馬主・調教師・騎手にも経済的悪影響を及ぼします」。

 「これら全てを考慮し、HKJCは春節開催を決行することにしました。ただし、入場者数を制限し、予防策を強化します」。

 声明はこう続く。「医療専門家によれば、競馬場でレース観戦することの健康上のリスクは、ショッピングモール内のレストランで食事をするほど高くありません。入場者は全員が体温チェックを義務付けられ、マスクを着用するように勧告されるでしょう」。

 場外馬券発売所も混雑が予想されるために閉鎖される。このような競馬場と場外馬券発売所での予防対策は、HKJCから新たな通知があるまで継続される。

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者はこれまでで800人に上っている(1月30日現在では7,711人)。英国では14人が検査され、うち9人が結果待ちであり、5人が陰性とされた。

 英国の防疫担当官は、新型コロナウイルスの感染リスクは低いと考えている。

 (訳注)1月27日(月)の春節開催日にシャティン競馬場とハッピーバレー競馬場の入場者は昨年の10万5,716人から10万人近く減少して8,289人となった。発売金も大打撃を受け、昨年から2億8,000万香港ドル(約39億2,000万円)以上減少して14億6,000万香港ドル(約204億4,000万円)となった。1月29日(水)のハッピーバレー競馬場での開催でも同じ措置が取られる予定で、観客数は3,000人~4,000人と見込まれている。

By Peter Scargill

(1香港ドル=約14円)

[Racing Post 2020年1月24日「Coronavirus prompts severe crowd restrictions on Chinese New Year raceday」]

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