サウジカップの出走権獲得レースに日本と米国のレースを指定(サウジアラビア)[開催・運営]
サウジアラビア・ジョッキークラブ(Jockey Club of Saudi Arabia:JCSA)は10月23日、第2回サウジカップ開催(2021年2月19日・20日にリヤド・キングアブドゥルアジーズ競馬場で施行予定)への出走権獲得レースとして以下の4レースを指定した。
サウジカップ[総賞金2,000万ドル(約21億円)]の出走権獲得レース
・ ペガサスワールドカップ(G1 1月23日 ガルフストリームパーク)
・ チャンピオンズカップ(G1 12月6日 中京)
ミドルディスタンスターフH[総賞金100万ドル(約1億500万円)]の出走権獲得レース
・ ペガサスワールドカップターフ(芝G 1月23日 ガルフストリームパーク)
リヤドダートスプリント[総賞金150万ドル(約1億5,750万円)]の出走権獲得レース
・ カペラS(G3 12月13日 中山)
2020年ペガサスワールドカップの優勝馬ムーチョグスト(ボブ・バファート厩舎)は、サウジカップで4着になった。同馬は現在、2021年のペガサスワールドカップとサウジカップに向けてロスアラミトス競馬場で調教を積んでいる。
ペガサスワールドカップターフの出走権獲得レースへの追加は、サウジアラビア競馬の新たな領域に米国のトップホースを勧誘することを意図している。JCSAはサウジカップ開催のためにキングアブドゥルアジーズ競馬場に芝コースを敷設しており、サウジアラビアで芝レースを拡大することを望んでいる。
JCSAの戦略・国際競走担当理事を務めるトム・ライアン氏はこう語った。「ペガサスワールドカップは2017年の創設時から一貫して、米国のトップホースを引き付けてきました。それらの馬が、まさに、ダートと芝のレースに出走してもらうためにサウジカップ開催に招致していきたい水準の馬なのです」。
「ペガサスワールドカップやペガサスワールドカップターフのような世界中にファンがいる定評あるレースとサウジカップの間で進行中の提携関係を育むことは、国際的な競馬の舞台でサウジアラビア競馬の継続的な成長および発展の鍵となります」。
中京競馬場のダート1800mで施行されるチャンピオンズカップは以前、ジャパンカップダートの名で知られていた。カペラSは中山競馬場のダート1200mで施行される。
ライアン氏は2019年チャンピオンズカップの優勝馬クリソベリルと2着馬ゴールドドリームがいずれも2020年サウジカップに出走したことに触れた。ゴールドドリームは6位、クリソベリルは7位で入線した。
第1回サウジダービー優勝馬フルフラットを管理する森秀行調教師は、出走権獲得レースに日本のレースが含まれることは、日本のダート競馬にとっての後押しとなるだろうと語った。
JCSAの発表には森調教師の発言が引用されている。「日本のダート馬は芝を得意とする馬よりもレーティングが低い傾向にあります。それゆえ、私たちはこのようなレースを日本に必要としていました」。
「リヤドスプリントに向けてパワーを温存するために、マテラスカイをブリーダーズカップに遠征させないことを決定したばかりです。2月にサウジを訪れることを楽しみにしています」。
ケンタッキー州産馬のマテラスカイ(牡6歳 父スパイツタウン 母Mostaqeleh 母父ラーイ)は、2020年サウジアカップスプリントで大きくリードしていたが、ゴール直前でとらえられて2着となった。
出走権獲得レースのプログラムの拡大は、JCSA の先日の発表を土台に進められている。その発表には、IFHA(国際競馬統括機関連盟)のパートII国・パートIII国の調教馬(レーティング85~110)に限定したサウジインターナショナルH[総賞金50万ドル(約5,250万円)]の新設が含まれていた。
ライアン氏はこう語った。「サウジカップ開催において、できるだけ大きな楽しみと興奮を関係者と競馬ファンにもたらしたいと思っています。1年目に素晴らしいスタートを切りましたが、サウジカップ開催を進化させ、世界中の競馬を支援する方法を考え続けています。サウジインターナショナルHを新設することで、これまで国際舞台にアクセスできなかった馬と関係者にその機会を提供して魅力的な賞金で後押ししたいと思います」。
JCSAは「2021年サウジカップへの参加について、新型コロナウイルス感染拡大による制限に関する決定はできるだけ早い段階で下します」と述べた。
By Bob Kieckhefer
(1ドル=約105円)
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