2021年ロイヤルアスコット開催、賞金総額は前年から66%増加(イギリス)[開催・運営]
アスコット競馬場の役員たちは3月9日、強化されたロイヤルアスコット開催(6月15日~19日)の計画を発表した。賞金総額が2020年から66%引き上げられることがひときわ目を引く。
ロイヤルアスコット開催以外で最も名声ある競走、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1 キプコ社後援 以下キングジョージ)では、昨年の2倍以上となる総賞金が提供されるだろう。
アスコット競馬場の役員たちは、昨年のロイヤルアスコット開催で800万ポンド(約12億円)を提供することを望んでいた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大が財政面に大打撃をもたらし、一年で最も盛大な社交の場となる競馬開催週はわずか361万ポンド(約5億4,150万円)の賞金総額しか提供しなかった。
けれども、今年のロイヤルアスコット開催は賞金総額600万ポンド(約9億円)を提供するだろう。また今後は各日の競走数を6競走ではなく7競走とし、規模を拡大して施行される。
2月に"ロックダウンによる規制がロイヤルアスコット開催の翌週まで続くため、同開催は延期されるのではないか"という束の間の憶測が流れたが、予定どおり6月15日~19日に実施されるだろう。
さらに7月のキングジョージの総賞金は、2020年の40万ポンド(約6,000万円)から87万5,000ポンド(約1億3,125万円)に引き上げられる。キングジョージには豊かな歴史があり、競馬界の多くの伝説的名馬がその優勝馬一覧に名を連ねている。
アスコット競馬場のCEOガイ・ヘンダーソン氏はこう語った。「2020年には、ロイヤルアスコット史上最高となる800万ポンド(約12億円)以上の賞金総額を提供することを望んでいました」。
「それは感染拡大により不可能となり、無観客開催を余儀なくされ、今やその状況が1年続いています。収入は80%減少しました。今年の賞金総額600万ポンド(約9億円)は、私たちが2020年のために当初計画していた賞金総額の75%となります」。
「2021年は入場者数が制限され、感染拡大による損失補償はもはや適用されません。それゆえ、慎重に提供できる最大限の賞金を用意し競馬産業を支援するという私たちの願いを叶えるために、アスコットでの競馬運営は大きな損失を吸収する必要があります」。
「コロナは私たちの長期的な経済計画を数年遅らせますが、私たちは可能なかぎり早く賞金レベルを再び軌道に乗せるために、できるかぎり大きな一歩を踏み出すことを目標としています」。
ロイヤルアスコット開催は昨年、ロックダウンのために出走スケジュールが狂ってしまった馬に追加的な出走機会を提供するために、規模が拡大されていた。1月にその計画は今後も続けられることが決まった。
「馬主の方々がいなければ、競馬は成り立たないでしょう。馬主の方々の積極的な関与とその支援にとても感謝しています。私たちができるだけ早く賞金をさらに引き上げられるようになることを望んでいます」。
「オフィシャルパートナーであるキプコ社とロンジン、それにオフィシャルサプライヤー、スポンサー、パートナー放送局、賭事メディアパートナーに感謝しています。彼らの支援に心からの謝意を示したいと思います」。
「アスコットにいる私たちは、6月に競馬ファンを再び迎えられることをとても楽しみにしています。そして現地で観戦できる人々と、テレビやデジタルチャンネルを通じてアスコットにいる気持ちで観戦する数百万もの人々の両方に、特別な競馬開催週をお届けできることを待ち遠しく思います」。
By James Burn
(1ポンド=約150円)
[Racing Post 2021年3月9日「Royal Ascot prize-money bounces back to £6 million after Covid-19 downturn」]