ドイツの一流種牡馬アドラーフルークが急死(ドイツ)[生産]
ドイツのメディアによると、種牡馬として2020年独ダービー(G1)優勝馬で凱旋門賞(G1)2着馬のインスウープを送り出し、自らも優秀な競走馬だったアドラーフルークが17歳で死んだ。
シュレンダーハン牧場(Gestut Schlenderhan)により生産・所有されたアドラーフルーク(父インザウイングス)は、3歳となった2007年に独ダービーを7馬身差で制し、バーデン大賞(G1)で首差の2着となった。翌年にはドイツ賞(G1 現ベルリン大賞)でも圧勝した。
種牡馬となったアドラーフルークは2020年に最高のシーズンを送り、今年は種付料が自己最高の1万6,000ユーロ(約208万円)に引き上げられシュレンダーハン牧場で供用されていた。
ドイツの競馬情報サイト『GaloppOnline』は、「アドラーフルークは4月5日(月)午後、種付後に突然予期せぬ死を迎えました」と説明する関係者からの声明を報じた。
アドラーフルークは種牡馬として、重賞勝馬12頭(うちG1馬5頭)を送り出している。2020年にインスウープ(フランシス-アンリ・グラファール厩舎)が独ダービーを制して凱旋門賞で2着に入ったことで、その父アドラーフルークの知名度は高まった。インスウープはパリ大賞(G1)でもモーグルの2着に健闘している。
また、アドラーフルークはトルカータータッソ(Torquator Tasso マルセル・ヴァイス厩舎)も送り出している。同馬は昨秋、バーデン大賞でバーニーロイの3着となり、その後ベルリン大賞を制した。
他の優秀なアドラーフルーク産駒には、アンマーラント牧場で供用されるG1・3勝馬イキートス(2017年ジャパンカップで15着)、独オークス(G1)優勝馬ラカザー(Lacazar)、エルフトムーレ牧場(Gestut Erftmühle)で供用されるバイエルン大賞(G1)優勝馬イトウ(2015年ジャパンカップで18着。母は独オークス優勝馬イオタ)などがいる。
アドラーフルークはアイヤナ(Aiyana 父ラストタイクーン)を母とし、ガリレオ・シーザスターズ・キングズベスト・タマユズを送り出した輝かしいファミリー(牝系)に属していることでよく知られている。アドラーフルークの2代母アルヤ(Alya)は、偉大なアーバンシーや英2000ギニー(G1)優勝馬キングズベストを送り出した繁殖牝馬アレグレッタ(Allegretta)の全妹である。
アドラーフルークの半弟でG2勝馬のアリゴ(Arrigo 父シロッコ)は2019年からフランスのマゼ牧場で供用されていたが、この冬に英国のヨートンファームスタッド(ウェルシュプール近郊)に移籍している。
By Kitty Trice
(1ユーロ=約130円)